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「大谷vs.トラウト」は幻に終わり、代わりに「大谷vs.フレッチャー」が実現する!?〈WBC〉

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左)とデビッド・フレッチャー Aug 28, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 日本とUSAは、どちらも勝ち進んでいくと、準決勝でぶつかる。ただ、ロサンゼルス・エンジェルスの2人、大谷翔平マイク・トラウトが、投手と打者として対戦することはなさそうだ。

 オレンジ・カウンティ・レジスターのジェフ・フレッチャーらによると、エンジェルスのフィル・ネビン監督は、大谷が準々決勝で登板し、その次は3月24日(のエキシビション・ゲーム)に投げる、と語ったという。

 その代わりというわけではないが、大谷は、準々決勝で、デビッド・フレッチャーに対して投げる可能性が高い。フレッチャーは、大谷とトラウトとともに、エンジェルスでプレーしている。トラウトと同じく、フレッチャーもエンジェルスの生え抜きだ。

 フレッチャーと大谷の年齢は、約1ヵ月しか違わない。それぞれ、1994年の5月31日と7月5日に生まれた。メジャーデビューも、同じ年だ。こちらは大谷が少し早く、2018年3月29日。フレッチャーは、6月13日に「9番・三塁」として初出場を記録した。

 ちなみに、この試合に、大谷は出場していない。右肘を痛め、故障者リストに入っていた。2人が揃って出場したのは、7月3日だ。フレッチャーは「1番・三塁」、大谷は「6番・DH」として、スターティング・ラインナップに並んだ。

 体格もそうだが、打者としても、大谷とは対照的。こちらは、パワーのないコンタクト・ヒッターだ。過去2シーズンは低調ながら、2019年は打率.290と出塁率.350、2020年は打率.319と出塁率.376。2021年には、6月13日から7月17日にかけて、26試合連続安打を記録した。

 今回のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、ここまでの4試合とも、スターティング・ラインナップに名を連ねている。「6番・遊撃」「2番・遊撃」「9番・二塁」「9番・三塁」。最初の打席で二塁打を打ったが、ここまでは16打数3安打だ。

 なお、イタリアには、フレッチャーの他にも、エンジェルスに在籍中の選手がいる。24歳の右投手、グレン・オルバニーズJr.がそうだ。

 オルバニーズJr.は、2021年のドラフトで15巡目・全体441位として指名され、プロ2年目の昨年は、A+とAAで投げた。速球は90マイル台前半。メインの変化球はカーブだ。WBCでは、パナマに2点リードされた9回表に登板し、1イニングを無失点で終わらせている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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