こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー（公認心理師）の竹内成彦です。

今日のテーマは、「癒されたいだけクライアントには、カウンセリングは合わないです」です。どうぞ宜しくお願いします。

世の中には、「癒されたい」とか、「自分の容姿や生理反応や感情や行動や認知を、全肯定して欲しい」とおっしゃるクライアントが少なからずいらっしゃいます。そういう人は、カウンセリングではなく、無責任な占い師かセラピストの所へ行ったほうがいいです。

何故なら、無責任な占い師やセラピストなら、あなたのことを、きっと癒してくれるでしょうし、あなたの全てを肯定してくれるので、一瞬だけ気持ち良くなることが出来るからです。

その点、責任感のあるカウンセラーはいけません。
責任感のあるカウンセラーは、あなたの話に熱心に耳を傾けはするものの、あなたが社会適応・現実適応できるよう、あなたに対し、「認知を変えよ」とか「行動を変えよ」とか、耳の痛いことを言って、迫ってくるからです。

あなたは、無責任な占い師や耳障りのいい言葉しか言わないセラピストの所へ行けば、その日の晩は、気持ち良く、よく眠れることでしょう。でも、その効果は３日と続きません。次の日、目を覚ましたあなたは、現実に打ちのめされ、また占い師やセラピストの所へ駆け込みたくなります。そう、そうやってあなたは、立派な占い依存症者やセラピージプシーになっていくのです。占い依存症者やセラピストジプシーになってしまった方は、精神的自立はおろか経済的自立も困難になっていきます。

責任感のあるカウンセラーの所へ行けば、あなたは目が覚め、地に足が着くことでしょう。その日の晩は、自分のやるべきことが見つかり、もしくは解決せねばならない課題に直面し、なかなか寝付けないかもしれません。でも、それでいいのです。カウンセリングの効果は、１週間２週間、それ以上続きます。そう、そうやってあなたは、精神的自立がはかれるるようになっていくのです。

私（竹内成彦）は、プロの心理臨床家として26年以上のキャリアがあるので、「こう言えば、目の前のクライアントは、喜ぶだろうなあ」ということがわかるのですが、だからと言って、長い目で見てクライアントの利にならないことを言うわけには参りません。
時には、クライアントが見たくもない現実を指し示さなければなりませんし、クライアントが聴きたくもない助言を言わなければなりません。

私は、クライアントから、「とても癒されました」と言われることが多いカウンセラーではございますが、別に癒し目的でカウンセリングをしているわけではありません。変わらなければならないクライアントに対しては、タイミングを見計らって、優しい口調で「変わりなさい。変わってください」ということを伝えます。

占い師もセラピストもカウンセラーも、接客業と言えば接客業ですが、目的が違います。あなたが、「一瞬だけ、幸福感を味わいたい」というのであれば、現実から目を逸らすお手伝いをしてくれる、褒め上手な占い師やセラピストの所へ行ったほうがいいでしょう。

カウンセリングとは、コミュニケーションを通して、相手の行動の変容を試みる、温かな人間関係のことです。

あなたが本気で、「変わりたい」「生きやすくなりたい」「症状を改善させたい」というのであれば、悪いことは言いません、占い師やセラピストではなく、どうぞ心理カウンセラーの元をお訪ねください。

【追伸】
偉そうに喋っている私も、もう10数年も前ですが、ある占いもするセラピストの所へ通っていたことがあります。そのセラピストは、私の生年月日から、「いかに私が素晴らしい性格の持ち主であり、これから素晴らしい未来が待っているか？」　毎回 力説してくれたのですが、私の現状は少しも変わりませんでした。
あるとき私は、ハッと目を覚まし、メンタルクリニックへ行き、そしてカウンセリングに行き、行動することによって、苦悩に満ちた現状を打破したという訳です。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

　　　　　　この記事を書いた人は、心理カウンセラー（公認心理師）の竹内成彦です。