今年7月3日は、観測史上もっとも暑い一日だった
今年7月3日は、地球にとって観測史上もっとも暑い一日だったと、アメリカの国立環境予測センターが声高に発表しました。
その3日(月)の世界の平均気温は17.01度で、記録の残るどの日においても、もっとも暑かったということです。これまでの記録は、2016年8月14日の16.92度でした。
具体的にはどれだけ暑かったのでしょうか。以下が同日の各地の最高気温です。
・アメリカのデスバレー 摂氏50.0度(平年差:プラス3度)
・メキシコのエルモシージョ 44.0度(プラス5度)
・アルジェリアのアドラール 48.9度(プラス4度)
・中国の北京 38.2度(プラス6度)
・東京 32.2度(プラス4度)
・南極のベルナツキー基地 8.7度(7月の観測史上1位の記録)
バークレー・アースのロバート・ローデ氏は、「データは1979年からのものですが、(中略)、おそらくそれ以前の長い間にわたってもっとも暑かった日だったと結論付けることができます」と述べています。
つまり観測史上1位の記録どころか、観測を取り始める前の長い年月をさかのぼってみても、例のないような高温であった可能性があるというのです。
エルニーニョと温暖化
記録的な高温は、温暖化、そして新たに出現したエルニーニョ現象によるところが大きいようです。エルニーニョは、世界の年間平均気温をおよそ0.2度押し上げる効果があるといわれています。
世界気象機関(WMO)は、エルニーニョは90%の確率で今年末まで続き、世界の気温を上げると見込んでいます。また多くの専門家は、来る2024年は観測史上もっとも暑い一年になると予想しています。
温暖化の意外な新犯人
温暖化とエルニーニョに加え、地球気温を押し上げている原因の一つに、船舶の燃料規制があります。
2020年から船舶が排出できる硫黄の量が規制され、低硫黄燃料が使用されるようになりました。これは環境の面では良いものの、とある弊害を抱えていると指摘されています。
というのも、硫黄には元々気温を下げる効果があるからです。
硫黄が大気に放出されると、太陽光を散乱させたり、雲の核となって雲を作ったり、厚くさせたりして、日光を反射させます。このため、船舶はかなりのCO2を出すわりには、気温を下げる効果もあることが知られてきました。
つまり低硫黄燃料の使用は、こうした冷却効果を減らしてしまうというわけです。
いま地球上ではエルニーニョ、温暖化、そして燃料規制など、地球を熱くさせる複数の要因が同時に発生しています。そうしてこうした原因の重なりによって、これから地球は益々暖まってしまうかもしれないようなのです。