裁判官も結果を気にする国民審査 誰を辞めさせたらいいか分からなかったら? #専門家のまとめ
日曜に迫った衆院選の投開票ですが、併せて最高裁の裁判官に対する国民審査も実施され、審査の対象である裁判官6人の不信任率がそれぞれ明らかになります。司法の頂点に民意を反映させる貴重な機会であり、少しでも有意義なものとするために、参考となる記事をまとめました。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
辞めさせたい裁判官だけに「×」を付ける一方、空欄は「信任した」とみなされ、「○」や「△」「?」などを書くと投票用紙全体が無効票となります。有権者にとって最大の問題は、判断材料が不足しているにもかかわらず、各裁判官ごとに辞めさせるべきか否かの判断を迫られるという点です。
全てを空欄とする場合はもちろん、一部を空欄とした場合でも、実際には積極的な信任ではなく、よく分からず判断できなかったとか、興味がないといった「事実上の棄権票」も多く含まれているとみられます。
常に全員に「×」を付けるという人もいますが、どうしても判断できない場合には、衆院選については投票し、国民審査だけ正式に棄権するということも可能です。受付で選挙管理委員会の担当者に棄権すると告げ、国民審査用の投票用紙だけを受け取らないとか、いったん受け取っても投票箱に入れず、担当者に返すといったものです。
全裁判官に関して一括して棄権できるだけで、A裁判官は不信任、B裁判官は棄権といったやり方はできませんが、それでも全体の棄権率が上がることで相対的に有効票数は減るので、各裁判官に対する不信任率が上がることでしょう。(了)