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伊藤沙莉、クランクアップは法服姿「虎に翼」笑顔で撮了

木俣冬フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人
クランクアップした伊藤沙莉さん 写真提供:NHK

朝ドラこと連続テレビ小説「虎に翼」(NHK)が2024年8月31日にクランクアップした。

2023年9月にクランクインしてから撮影期間はおよそ11か月にわたった。放送は9月27日(金)まで続く。

日本で初めて女性判事になった三淵嘉子さんをモデルにして、まだ女性が少なかった法曹界での猪爪(のちに佐田)寅子の活躍と並行してその家族たちを描いたオリジナルストーリー。リーガルエンターテインメントという触れ込みだったが、リーガル×ホームエンタメという印象であった。吉田恵里香の脚本に現代性があって高い人気を得ている。

クランクアップは法服姿で 写真提供:NHK
クランクアップは法服姿で 写真提供:NHK

主人公の佐田寅子を演じきった伊藤沙莉さんのコメントは以下。

寅子として1年間生きられたことが、自分の人生においてとんでもない財産になりました。
明日から、寅子としていられないのが本当に想像つきません。
「朝ドラの主演は一番大変だよ」といろんな方に言っていただくけれど、現場でスタッフやキャストのみなさんと作品を作れると思うと、いつもそれだけで楽しい1日が始まるなと思えて、幸せで仕方がなかったです。
いろんなところで、「『虎に翼』を見てるよ、面白いね」と言っていただくたびに、視聴者のみなさん、スタッフ、出演者に支えられていることを実感していて、挙げ始めたらきりがないくらいお1人お1人に感謝しています。
本当に1年間ありがとうございました。

制作統括の尾崎裕和チーフプロデューサーはヤフーニュースエキスパートのインタビューで伊藤さんについて、現場でいつも明るくハハハ、と声を出して笑っている、と語っていた。

――伊藤沙莉さんは最終回に向けていかがですか。
尾崎「伊藤沙莉さんの年齢を重ねた演技はとても自然だなと感じています。管理職の立場で部下とやりとりする場面で、部下の個性によって適正な判断をするときの口ぶりなどは、僕も管理職として見習いたいと思うくらいです。朝ドラの主人公を半年もの長丁場で演じることは大変なのですが、沙莉さんは当初から現場でいつも、明るくハハハ、と声を出して笑っていて、そのポジティブな気持ちが8月の終盤まで変わってない。その凄さを感じています」

尾崎CPはクランクアップでのコメントでもやはり伊藤さんの笑顔についてコメントしている。

昨年の9月にクランクインした「虎に翼」が、ついに撮影終了を迎えました。出演者・スタッフのみなさん、ご協力いただいた方々、1年の長きに渡る収録、本当にお疲れ様でした。
そして、 伊藤沙莉さん、毎日スタジオで聞こえてくる沙莉さんの笑い声に、 みんなが勇気づけられていました。私たちの寅子でいてくれて本当にありがとうございました!
視聴者のみなさま、『虎に翼』の放送は残りあと1か月、今週は原爆裁判が描かれています。最後まで『虎に翼』らしく、寅子たちが裁判や事件と向き合い、闘い続けます。最終回までぜひご覧いただければありがたいです。

今週第23週は原爆裁判。モデルの三淵さんは8年もの長きにわたるこの裁判に唯一、最初から最後まで関わっている。寅子もきっとそのように描かれるだろう。

そして最終回まで法律の世界に生きる寅子の活躍が描かれるであろうことが、クランクアップの法服姿で感じられる(クランクアップは最終回の撮影とは限らないが)。

残り1ヶ月、寅子がどんな社会の問題に向き合っていくか刮目したい。

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2024年度前期 連続テレビ小説「虎に翼」
【作】 吉田恵里香
【音楽】森優太
【主題歌】米津玄師「さよーならまたいつか!」
【語り】尾野真千子
【キャスト】伊藤沙莉 岡田将生 森田望智 土居志央梨 桜井ユキ 平岩紙 戸塚純貴 毎田暖乃 余貴美子 高橋克実 沢村一樹 滝藤賢一 松山ケンイチ
【法律考証】村上一博
【制作統括】尾崎裕和
【プロデューサー】石澤かおる 舟橋哲男 徳田祥子
【取材】清永聡
【演出】梛川善郎 安藤大佑 橋本万葉 伊集院悠 相澤一樹 酒井悠
【放送予定】総合 (月~土) 午前8時 [再]午後0時45分 ※土曜日は1週間を振り返ります。BS BSP4K (月~金) 午前7時30分

フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人

角川書店(現KADOKAWA)で書籍編集、TBSドラマのウェブディレクター、映画や演劇のパンフレット編集などの経験を生かし、ドラマ、映画、演劇、アニメ、漫画など文化、芸術、娯楽に関する原稿、ノベライズなどを手がける。日本ペンクラブ会員。 著書『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、ノベライズ『連続テレビ小説 なつぞら』『小説嵐電』『ちょっと思い出しただけ』『大河ドラマ どうする家康』ほか、『堤幸彦  堤っ』『庵野秀明のフタリシバイ』『蜷川幸雄 身体的物語論』の企画構成、『宮村優子 アスカライソジ」構成などがある

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