「25本塁打&50盗塁」に到達したルーキーはこの選手が初めて。ルーキー以外の達成者は何人いるのか
9月20日、コービン・キャロル(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は、1本塁打(とシングル・ヒット3本)と2盗塁を記録し、シーズン25本塁打と50盗塁に到達した。
1シーズンに25本塁打以上&50盗塁以上のルーキーは、これまでいなかった。昨年8月29日にメジャーデビューしたキャロルは、今シーズンも、まだルーキーだ。
そもそも、この「25-50」を記録した選手は、そう多くない。今シーズン、ここまでに39本塁打と67盗塁のロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)が延べ12人目、キャロルは13人目だ。
今シーズン、新ルールの導入により、メジャーリーグ全体の盗塁は増えている。ベースの拡大と投手の牽制制限だけでなく、ピッチ・クロックも要因になっていると思われる。
ただ、新ルールの効果をかなり多めに見積もり、キャロルの盗塁を半数の25としても、稀少であることに変わりはない。昨シーズンまで、25本塁打以上&25盗塁のルーキーは3人。2007年に32本塁打と27盗塁のクリス・ヤング、2012年に30本塁打と49盗塁のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)、2022年に28本塁打と25盗塁のフリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)しかいなかった。
「30-30」のルーキーは、トラウトだけだ。キャロルが2人目となるには、あと9試合で5本のホームランを打つ必要がある。
ホームランと盗塁に加え、キャロルの出塁率.363とOPS.874は、今シーズン、ナ・リーグで400打席以上のルーキーのなかで最も高い。三塁打9本は、ルーキー以外も含めた、リーグ1位タイだ。チームメイトのケテル・マーテイと並んでいる。
ナ・リーグの新人王の有力な候補には、千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)もいる。こちらは、28登板で161.1イニングを投げ、奪三振率10.82と与四球率4.13、防御率2.96を記録している。あと6三振を奪うと、シーズン200奪三振となる。
どちらが新人王でもおかしくないが、受賞するのは、千賀ではなくキャロルのような気がする。
ちなみに、キャロルと千賀は、7月と9月に対戦している。計6打席の結果は、6打数1安打。半数の3打席で、千賀はキャロルから三振を奪った。