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8月に入って6連敗以上の4チーム中、そこから立ち直ったのは…。エンジェルスは7連敗後に6勝9敗

宇根夏樹ベースボール・ライター
コービン・キャロル(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)Aug 14, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 30チーム中4チームは、8月1日から6連敗以上を喫した。ニューヨーク・メッツ、シンシナティ・レッズは6連敗、ロサンゼルス・エンジェルスは7連敗、アリゾナ・ダイヤモンドバックスは9連敗だ。4チームとも、7月最後の試合は白星を挙げた。

 その後のエンジェルスは6勝9敗、メッツは9勝9敗、レッズは8勝8敗だ。エンジェルスとメッツがポストシーズンへ進む可能性は、8月を迎えた時点でも高くなかったが、今やほぼ潰えている。レッズは、現在、ワイルカードの3番手まで1ゲーム差の5番手に位置するものの、7月末の時点で1位だった地区順位は、3位まで下降した。地区首位との差は5ゲームだ。

 一方、ダイヤモンドバックスは、9連敗後に11勝2敗。8月19日からは、6連勝を継続している。

 7月末の時点では、他の2チームとともに、ワイルドカードの3番手に並んでいた。現在は、ワイルドカードの2番手にいる。一時は、ワイルドカードの6番手まで落ち、3番手に3.5ゲーム差をつけられていた。

 開幕から3ヵ月続けて月間勝率.550以上を記録した後、7月は8勝16敗(勝率.333)に終わり、8月に入って9連敗を喫した。このまま沈んでいくのかと思いきや、そこから立ち直った。

 キーマンは、ここまで22本塁打と39盗塁、OPS.865を記録していて、ダイヤモンドバックス史上初の新人王となりそうな、コービン・キャロルかもしれない。

 各月のOPSは、いずれも.875以上だった最初の3ヵ月に対し、7月は.800だ。8月は、最初の9試合が打率.156と出塁率.270、長打は二塁打が1本。一方、その後の13試合は打率.341と出塁率.423を記録し、4本の長打――ホームランと三塁打が各1本と二塁打が2本――を打っている。

 まだどうなるかはわからないが、ダイヤモンドバックスがポストシーズンに進出すれば、2017年以来となる。キャロルは、2019年のドラフト全体16位だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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