センバツ準Vの報徳が県大会で東洋大姫路に敗れる! 公立勢が強い兵庫の夏は、今年も大激戦か?
各地で春の公式戦が本格化している。甲子園に直結する大会ではないが、ほとんどが夏の大会のシード権を懸けての戦いとなるため、決して軽視はできない。また、新戦力を試す絶好の機会でもある。
報徳はダブルエース温存で敗退
今春の近畿大会は兵庫で開催される。春は開催府県3校で、残る府県は1位校のみの計8校出場となり、ホスト県の兵庫は進行が早い。センバツで2年連続準優勝の報徳学園は、2枚看板の間木歩(3年・主将=タイトル写真右端)、今朝丸裕喜(3年=同右から3人目)を登板させず、準々決勝で東洋大姫路に1-5で完敗した。序盤の失点を挽回できず、逃げ切られた形だが、夏までに攻撃力の底上げが急務となる。兵庫は近畿で最も僅差試合が多く、上位校の実力差が小さい。その証拠が準々決勝の試合内容で、夏は公立も含め10校ほどがしのぎを削ることになるだろう。
強打と勢いの東洋大姫路
東洋大姫路は、履正社(大阪)を夏の全国制覇に導いた岡田龍生監督(62)が率いて3季目を迎えた。報徳戦では2年生が6人もスタメン起用されるなど、下級生主体ながら攻撃陣に勢いがある。岡田監督は、履正社時代から小技と守備力の指導には定評があり、5年前の全国制覇時には井上広大(阪神)らの長打力も目を引いた。「スモールベースボール」を貫く兵庫勢では、異色とも言える強力打線を引っ提げて、兵庫の頂点を狙う。
明石商と須磨翔風はタイブレークを制す
そのほか準々決勝では、明石商が神戸国際大付に5-4でタイブレーク勝ちした。実力随一の神戸国際大付は、エースの津嘉山憲志郎(3年=主将)がヒジの故障で投げられず、夏を万全の状態で迎えられるかは不透明。選手層が厚く下級生も伸びてはいるが、1年夏からマウンドを守る大黒柱が不在となると、苦しい戦いは避けられない。
昨秋の近畿8強で惜しくもセンバツ初出場を逃した須磨翔風は、タイブレークの死闘の末、神戸学院大付を5-3で振り切った。エース・槙野遥斗(3年)は粘りの投球が持ち味で打たれ強い。
継続試合を制した社は3年連続の夏の甲子園を狙う
もう1試合の社と育英は7回途中で「継続試合」となり、1日に再開。3-2とリードしていた社が、そのままのスコアで逃げ切った。投打にわたる活躍を見せたエース・福田海晴(3年)が、3年連続の夏の甲子園出場へチームを牽引する。準々決勝4試合中、3試合が1点差で、うち2試合は延長タイブレークでの決着という実力伯仲ぶり。これで準決勝は、東洋大姫路-社、明石商-須磨翔風の顔合わせとなり、上位3校が近畿大会に出場する。公立3校が上位を占めたが、いずれも全国の強豪と渡り合える力を持っている。
神戸弘陵に好投手、姫路西や明石も第1シード
冒頭の夏のシード権で言えば、兵庫は春季県大会の16強が第1シードとなり、32強が第2シードで、シードを逃して1回戦からの登場なら、優勝まで8勝が必要になる。上記8校のほか第1シードでは、最速152キロ右腕の村上泰斗(3年)を擁する神戸弘陵が注目校で、残る7校は公立。姫路西や明石の伝統校を始め、西脇工、加古川北、東播磨は近年、甲子園出場を果たしているし、飾磨、赤穂の甲子園未経験組も楽しみだ。第1シード16校中10校が公立で、例年以上に公立の割合が高い。
第2シードにも楽しみなチーム
また第2シード勢では、篠山産、神戸、彩星工科、市西宮、津名などの実力校が、第1シードの強敵をどこまで脅かすか。シードを逃した神港学園、関西学院、それに昨夏兵庫4強の滝川二などの強豪や、秋4位の進学校・長田の巻き返しにも注目したい。夏の前哨戦となる近畿大会は、25日から明石トーカロ球場で開催される。