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センバツ準Vの報徳が県大会で東洋大姫路に敗れる! 公立勢が強い兵庫の夏は、今年も大激戦か?

森本栄浩毎日放送アナウンサー
センバツ準Vの報徳は兵庫大会で東洋大姫路に完敗した(昨年10月28日、筆者撮影)

 各地で春の公式戦が本格化している。甲子園に直結する大会ではないが、ほとんどが夏の大会のシード権を懸けての戦いとなるため、決して軽視はできない。また、新戦力を試す絶好の機会でもある。

報徳はダブルエース温存で敗退

 今春の近畿大会は兵庫で開催される。春は開催府県3校で、残る府県は1位校のみの計8校出場となり、ホスト県の兵庫は進行が早い。センバツで2年連続準優勝の報徳学園は、2枚看板の間木歩(3年・主将=タイトル写真右端)、今朝丸裕喜(3年=同右から3人目)を登板させず、準々決勝で東洋大姫路に1-5で完敗した。序盤の失点を挽回できず、逃げ切られた形だが、夏までに攻撃力の底上げが急務となる。兵庫は近畿で最も僅差試合が多く、上位校の実力差が小さい。その証拠が準々決勝の試合内容で、夏は公立も含め10校ほどがしのぎを削ることになるだろう。

強打と勢いの東洋大姫路

 東洋大姫路は、履正社(大阪)を夏の全国制覇に導いた岡田龍生監督(62)が率いて3季目を迎えた。報徳戦では2年生が6人もスタメン起用されるなど、下級生主体ながら攻撃陣に勢いがある。岡田監督は、履正社時代から小技と守備力の指導には定評があり、5年前の全国制覇時には井上広大(阪神)らの長打力も目を引いた。「スモールベースボール」を貫く兵庫勢では、異色とも言える強力打線を引っ提げて、兵庫の頂点を狙う。

明石商と須磨翔風はタイブレークを制す

 そのほか準々決勝では、明石商神戸国際大付に5-4でタイブレーク勝ちした。実力随一の神戸国際大付は、エースの津嘉山憲志郎(3年=主将)がヒジの故障で投げられず、夏を万全の状態で迎えられるかは不透明。選手層が厚く下級生も伸びてはいるが、1年夏からマウンドを守る大黒柱が不在となると、苦しい戦いは避けられない。

須磨翔風のエース・槙野は昨秋の公式戦、一人でマウンドを守った。走者を背負ってからの投球が非凡で、大崩れしない。昨秋は報徳に次ぐ県2位で近畿大会に出場し、智弁学園(奈良)を破った(筆者撮影)
須磨翔風のエース・槙野は昨秋の公式戦、一人でマウンドを守った。走者を背負ってからの投球が非凡で、大崩れしない。昨秋は報徳に次ぐ県2位で近畿大会に出場し、智弁学園(奈良)を破った(筆者撮影)

 昨秋の近畿8強で惜しくもセンバツ初出場を逃した須磨翔風は、タイブレークの死闘の末、神戸学院大付を5-3で振り切った。エース・槙野遥斗(3年)は粘りの投球が持ち味で打たれ強い。

継続試合を制した社は3年連続の夏の甲子園を狙う

 もう1試合の育英は7回途中で「継続試合」となり、1日に再開。3-2とリードしていた社が、そのままのスコアで逃げ切った。投打にわたる活躍を見せたエース・福田海晴(3年)が、3年連続の夏の甲子園出場へチームを牽引する。準々決勝4試合中、3試合が1点差で、うち2試合は延長タイブレークでの決着という実力伯仲ぶり。これで準決勝は、東洋大姫路-社、明石商-須磨翔風の顔合わせとなり、上位3校が近畿大会に出場する。公立3校が上位を占めたが、いずれも全国の強豪と渡り合える力を持っている。

神戸弘陵に好投手、姫路西や明石も第1シード

 冒頭の夏のシード権で言えば、兵庫は春季県大会の16強が第1シードとなり、32強が第2シードで、シードを逃して1回戦からの登場なら、優勝まで8勝が必要になる。上記8校のほか第1シードでは、最速152キロ右腕の村上泰斗(3年)を擁する神戸弘陵が注目校で、残る7校は公立。姫路西明石の伝統校を始め、西脇工加古川北東播磨は近年、甲子園出場を果たしているし、飾磨赤穂の甲子園未経験組も楽しみだ。第1シード16校中10校が公立で、例年以上に公立の割合が高い。

第2シードにも楽しみなチーム

 また第2シード勢では、篠山産神戸彩星工科市西宮津名などの実力校が、第1シードの強敵をどこまで脅かすか。シードを逃した神港学園関西学院、それに昨夏兵庫4強の滝川二などの強豪や、秋4位の進学校・長田の巻き返しにも注目したい。夏の前哨戦となる近畿大会は、25日から明石トーカロ球場で開催される。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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