【Yahoo!ニュース 個人】5月の月間MVA受賞記事が決定
■Yahoo!ニュース 個人、5月の「月間MVA(Most Valuable Article)」が決定しました
Yahoo!ニュース 個人の「月間MVA」が決定しました。評価基準から記事のアクセス数などをあえてはずし、社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点から、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」を体現している記事を選出するもので、編集部を中心とした運営スタッフが選出しました。受賞記事5本と受賞にあたっての筆者のコメントをまとめて紹介します。
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■競技の枠を超えた「障がい者サッカー」の歴史的一戦(宇都宮徹壱)
筆者による受賞コメント:このたびはYahoo!ニュース個人の5月のMVAに選んでいただき、ありがとうございます。私自身は障がい者スポーツの専門家ではありませんが、さまざまなハンディを創意工夫によって乗り越え、プレーを楽しんでいるハンディキャップサッカー関係者の姿勢には、さまざまな新鮮な発見がありました。その一端を伝える契機を与えてくれた皆さんにも、あらためて感謝します。
(宇都宮徹壱)
選出理由:障がい者サッカーの歴史的一戦をレポート、ろう者(デフ)サッカーの面白さ・魅力があふれた「観戦してみたい」と思わせてくれる1本です。障がい者サッカーの中にもいろいろな競技があり、ビジュアルを重視しがちなメディアの取材・露出のあり方にも一石を投じています。
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■「イスラム国」の陰にある本当の問題(川上泰徳)
筆者による受賞コメント:世界は「アラブの春」で強権を倒した若者たちに拍手し、いま「イスラム国(IS)」に集まる若者たちを嫌悪する。同じ中東の若者がどこでつながるのかという問いから生まれた原稿です。シリア内戦の悲劇を放置する世界の欺瞞が、ISを肥大化させているという結論です。
(川上泰徳)
選出理由:アラブの若者がどのような情報を得て、どのような心の動きでISに参加していくのかに着目した論考です。長年にわたる現地等での取材、調査に基づき、「シリアへの『救援』」として集っているという意外性・説得力ある指摘がなされています。
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■ロシア 対独戦勝記念日を巡るポリティクスと「愛国」の風景(小泉悠)
筆者による受賞コメント:軍事パレードという行事を題材に、現在のロシアを巡って交錯する国際関係や、その渦中にあるロシア国内の雰囲気などを描ければと思って書いた記事です。今回、MVAに選んでいただき、大変感謝しております。ありがとうございます。
(小泉悠)
選出理由:高い専門性と現地の取材から、複雑な国際情勢やその中でのロシアの立ち位置、思惑などを説いた読み応えのある1本です。リアルに感じた「愛国心」の高まりは、継続的に現地取材をしている筆者ならではの発見です。
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■森は投資対象にならないのだろうか ~アメリカの例から考える~(田中淳夫)
筆者による受賞コメント:日本で林業は、産業扱いされないことが多い。補助金でかろうじて支えられる有様だから仕方ないかもしれないが、世界では最新技術や金融資本が注ぎ込まれる先進産業であることを伝えたかった。そして過去には日本でもそうだったことを。現代日本では諸条件が違いすぎるという反応もあったが、逆に見れば、日本の林業はまだまだ改善の余地が大きくチャンスあり、だ。
(田中淳夫)
選出理由:「森林ジャーナリスト」として独自の発見が光る発信です。他の金融資産の価格変動と相関しないという経済的視点、日本でもかつて投資されていたという歴史的視点から、わかりやすく解説しています。
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■大阪都構想の「プランB」を検証する。総合区、特別自治市、大阪会議、そしてそれらの実現性は?(米重克洋 )
筆者による受賞コメント:MVA記事に選定いただき、ありがとうございます。都構想への注目度は、関西以外では最後まで低調だった印象がありますが、そんな中でも多くの方に記事をご覧いただきました。都構想で提起された「大都市制度」の課題は、決して大阪ローカルのテーマではなく、他の19政令市やまた都構想の「源流」でもある東京都にすらある全国レベルの課題です。今後時間は掛かっても、これを契機に大都市制度、地方自治の課題解決が進んでいけばと良いと思っております。
(米重克洋)
選出理由:住民投票の結果を踏まえてどんなやり方が考えうるのかを綿密に分析し、筆者の考える解決策を提示した記事です。結果が出て終わりではなく、残る課題を明示しながら「全世代の市民が政治への関心を喪わないこと」の大切さを発信しています。