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【防災の日】令和の今やっておくべき家庭の備え #災害に備える

矢野きくの家事アドバイザー/節約アドバイザー/防災士/食育指導士
(写真:イメージマート)

関東大震災から100年目となる今日、9月1日は防災の日。またその前後の8月30日から9月5日は防災週間となり、各所で様々な企画が展開されています。

Yahoo!とLINEの共同企画では「スマホ避難シミュレーション」というのがあり、筆者もやってみましたが、いざ災害が起きたときに、「どうするべきか」と考え、判断するのは難しいことで、常日頃からシミュレーションして身体に覚えさせておくことが大切だと感じました。

関東大震災がきっかけで制定された防災の日ですが、備えなければならないのは地震に対してだけではありません。気候変動により、過去にはなかったような自然災害が発生している現在は、想定されるあらゆる災害に備える必要があります。

防災グッズや、非常用に備えておく物というのは以前から存在していますが、令和の今、大正や昭和の時代とはライフスタイルが変わり、必要な物も昔とは変わってきています。

今回は、令和の今やっておくべき「家庭での災害への備え」をご紹介します。

停電に備えて電気を供給できるもの

今や情報を得るために欠かせないスマートフォン。とくに災害時はテレビやラジオよりも、ピンポイントで自分が必要とする地域の情報を得やすいので常に使える状態にしておきたいものです。

そのために、安い買い物ではありませんがポータブル電源があると安心感は高まります。この1〜2年でポータブル電源の種類も増えて価格帯も広がり以前に比べると手に入れやすくなっています。

ソーラーパネル付きのポータブル電源があるといい(筆者撮影)
ソーラーパネル付きのポータブル電源があるといい(筆者撮影)

筆者は2年ほど前に購入して活用していますが、この真夏に数時間停電になったときも、扇風機やパソコンを使うことができました。

ポータブル電源が難しい場合は、モバイルバッテリーを複数持ち、常に満充電にしておくことをおすすめします。

ポータブル電源の場合もモバイルバッテリーの場合も、家の電源から充電する機能だけでなく、太陽光で充電できるようにソーラーパネルもあると、停電が長引いたときでも安心です。

停電に備えて照明代わりのランタン

かつては災害時用の備えといえばろうそくでした。しかし、ろうそくは慣れていないと火傷の危険もあり、また火災になることもあります。先月の沖縄の台風による停電で、ろうそくを使っていたことがきっかけで火災がおき、80代の女性が亡くなるという事故もありました。

太陽光と電源から充電できるランタン型がおすすめ(筆者撮影)
太陽光と電源から充電できるランタン型がおすすめ(筆者撮影)

二次災害を避けるためにも、乾電池や充電式で使えるランタン型の照明をおすすめします。懐中電灯よりもランタン型のほうがテーブルに置いて生活をする中での照明として使いやすいからです。

オール電化の家庭はとくにカセットコンロ

オール電化の家庭は停電になるとお湯を沸かすこともできなくなってしまいます。また都市ガスやプロパンガスのご家庭も、災害時には使えなくなることもあるので、カセットコンロは用意しておいたほうが良いでしょう。日頃から使うようにしておけば、いざというときに「ガスが無い」などのトラブルも避けられます。

断水に備えて3リットル×人数分×3日分の水

断水になった場合も、すぐに給水車がくるわけでもないので、最低でも3日分の水は備えておきたいものです。人は1日に2リットルの飲水を必要とし、それ以外に調理のためなど1リットルが必要で、合計3リットルの水が必要と言われています。家族の人数分×3日分の水を供えておきましょう。

また、給水車から水をもらうときに使えるタンクもあると心強いです。100円ショップやホームセンターでも購入することができ、最近は折りたたみ式の場所を取らないタイプもあります。

断水時のトイレ代わりに

湯船に水を貯めておくと断水時には何かと使えます。水洗トイレもタイプによってはバケツからの水で流すことができたり、真夏の暑い日ならば、タオルを濡らして身体を拭くことも可能です。

しかし常に湯船に水があるわけでもないので、災害時のトイレ代わりとして、ペット用のトイレシーツと大きめのゴミ袋を用意しておくと安心です。ゴミ袋の中にペットのトイレシーツを敷いて用を足し捨てることができます。

備蓄食は最低でも1週間分を

かつての災害時用の備蓄食と言えばカンパンでした。今ももちろんカンパンはありますが、保管できる期間が長期すぎて、交換時期を忘れてしまっていたということがあったり、そもそもパサついて喉が渇くなど、味としての魅力に欠けてしまうのも事実です。

現代は昔に比べて、レトルトや缶詰、カップの食材など長期保存できる食材が増えているので、それらを備蓄用食材として用意しておくと良いでしょう。

「日頃食べているものを多めに用意しておき、使ったら追加購入する」というローリングストック法もありますが、実は意外と難しく、きっちりと在庫管理をしていないと「気づいたらなくなっていた」という方が多くいます。

備蓄用は一箇所にまとめて保管しておく(筆者撮影)
備蓄用は一箇所にまとめて保管しておく(筆者撮影)

備蓄用は備蓄用としてまとめて一つの箱に入れておき、半年に一度入れ替えるようにすると、いざというときにも必要数確保でき、賞味期限が切れてしまうこともありません。筆者は東日本大震災があった3月と、防災の日がある9月に入れ替えるようにしています。

日頃食べ慣れているものを備蓄用として確保し、入れ替えたら普段の食事で食べる(筆者撮影)
日頃食べ慣れているものを備蓄用として確保し、入れ替えたら普段の食事で食べる(筆者撮影)

主食となるものとして、ごはん類や麺類。たんぱく質として缶詰の肉や魚、そしてスープ類です。また災害時に体調を崩して食べられないということも考え、栄養があるゼリー状のドリンクや経口補水液の顆粒も一緒に入れてあります。

衛生用品や薬

消毒用品やマスク、生理用品、常備薬なども家族の誰もが分かる状態にしておきたいものです。また日頃から薬を服用している方は、常に数日分余裕をもった個数を備えておくようにしましょう。

トイレットペーパーも経済産業省が「トイレットペーパーを備蓄しましょう!」と呼びかけています。

トイレットペーパーはほとんどが国内産で、そのうちの約4割が東海地震が懸念されている静岡県で作られているからだそうです。

トイレットペーパーは命に関わるものではありませんが、それでも無いと不安になるとコロナ禍で経験した人も多いでしょう。

ペットも家族

ペットと暮らしている方はぜひペット用のご飯も災害時の備えとして備蓄しておきましょう。また避難所などに行く際に、ペットを入れておけるケージとなるものもあるといざというときに困りません。

災害時用の現金

キャッシュレスは便利ですが、停電になると使えないケースも出てきます。災害時用の持ち出し袋には現金も入れておくようにしましょう。

災害に備えているご家庭は意外と多くないのが現状です。しかし、いつ来るか分からない災害。そのときになって困らないためにも、自分のこととして準備しておくほうが良いでしょう。防災の日の今日、家の中を見回してみてはいかがでしょうか。

家事アドバイザー/節約アドバイザー/防災士/食育指導士

家事の効率化、家庭でできるSDGsを中心に、テレビ、講演、コラム連載などで活動。働く人向けの時短家事術、シニア層への家事改革などをアドバイス。「防災士」の資格を持ち家庭での備え、「食育指導士」の資格も持ち、食品ロス削減をテーマにした講演も定評がある。100円ショップや業務用スーパーでのお得な買い物術の紹介や、便利グッズの開発にも携わる。【テレビ出演】NHKごごナマ(準レギュラー)・日本テレビミヤネ屋・TBSテレビはなまるマーケット・フジテレビ笑っていいとも他。【連載実績】HONDA・東芝・イオン等企業のオウンドメディアや、日経新聞・時事通信 他。【著書】シンプルライフの節約リスト(講談社)他。

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