家庭に潜む火事の原因 9つのチェックリスト-札幌・自動車販売店火災「静電気」が原因か
今月6日、札幌市の自動車販売店が全焼した火事は、ガソリンに静電気が引火し燃え広がった可能性があることがわかりました。従業員が携行缶のガソリンを車に入れる作業中に、発生した静電気がガソリンに引火し燃え広がった可能性があるということです。
警視庁のX(旧Twitter)アカウントでも、静電気が火災の原因になることもあると注意喚起しています。
東京都心では連日雨が降らず、ここまで雨がない12月は24年ぶりと言われているこの冬、東京だけに限らず全国的に乾燥している日が続いています。
乾燥している上に、冬は火事の原因になりやすいものが私たちの生活には複数あり、年間を通しても12月、1月が火災件数が圧倒的に多くなる時期です。
今回は家庭での火事を避けるために気をつけるべき9つの項目をご紹介します。
1・静電気による火災
先にご紹介したように静電気が発生することで燃えやすいものに引火して火災になるという例は過去にいくつもあります。燃えやすいものが近くにあるときなどはとくに、静電気が発生しないよう、手のひらで木製の壁などをしっかり触り静電気の発生を防ぐようにしましょう。
2・電源プラグによるトラッキング
電源プラグ周りを掃除せずホコリが溜まっていると、そのホコリが空気中の湿気を吸収しプラグの両刃間で火花放電が起こり火災になる可能性があります。冷蔵庫や洗濯機など1度設置するとなかなか掃除しない場所や、寝室などホコリが多い場所の電源プラグはとくに注意が必要です。こまめに掃除しましょう。
3・電源ケーブルの断線
電源ケーブルをきつく巻いたり、ケーブルを家具が踏んだりすることにより、ケーブルの中が断線して火災の原因となることもありえます。電源ケーブルをコンパクトに巻いている家庭は意外と多いので、そのようなことがないか確認してください。
4・古すぎる暖房器具の使用
古すぎる家電は暖房器具にかかわらず、思わぬところから発火する可能性があります。
画像は2年ほど前に筆者の高齢の親族宅で起こったオイルヒーターからの発火です。幸い火災報知器が鳴り、同居しているその方の息子家族によってすぐに消火されましたが、高齢の方だけだったらあたふたして住宅火災に繋がった可能性もあります。
オイルヒーターと言えば石油ストーブに比べて火災の可能性が低いと思われるでしょう。しかし古いものとなると火災につながる可能性もあるのです。
いつ購入したものか定かではありませんが、スイッチの横に「West Germany」とあるのでおそらく西ドイツ製のもの。そうなると東西ドイツが統一された1990年以前のものと考えられるので30年以上前の製品になります。
家電ごとに買い替え時期は異なりますが、古い家電を使っていないか今一度確認してください。
5・灯油を入れる際のこぼれ
灯油をストーブのタンクに入れる際にポンプを使いますが、その抜き差しのときに少量でも灯油が漏れてストーブのタンクにつくと危険です。万が一、こぼれたり付いたりしたときはしっかりと拭き取ってからストーブにセットするようにしましょう。
6・フリース着用しガスコンロでの調理「着衣着火」
意外と多いのがフリースを着たままガスコンロでの調理をしてしまうことです。フリースなどの化学繊維は燃えやすいので、とくに揚げ物など油を多く使うときは注意が必要です。
「着衣着火」と言って昨年12月15日に放送されたNHKのニュースによると、2022年の間に101人が着衣着火で命を落とされたということなので、決して少ない数ではありません。
ガスコンロだけでなくキャンプやバーベキューのときも注意が必要です。防炎素材のエプロンやアームカバーを使うのもよいですが、なによりも火に近づくときは燃えやすい素材のものは脱ぐようにすることが安全です。
7・ガスコンロ周りの燃えやすいもの
近年SNSでも個人発想による掃除術などがありますが、その中には危険なものも複数見受けられます。コンロ周りの壁の汚れ防止のために壁紙を貼ったり、油が溜まりやすい換気扇の溝にキッチンペーパーを詰めるという方法も出回っています。
油を含んだキッチンペーパーがコンロの上にあるというのは想像しただけでも危険ということがわかるでしょう。ガスコンロ周りに燃えやすいものがないようにすることも大切です。
8・ストーブの近くに洗濯物を干す
これもありがちな光景ですが、日照時間が短くなり洗濯物が天日で乾かないことや、乾燥した室内の加湿のために、ストーブの上に洗濯物を干すというのも危険です。いつどのようなタイミングで洗濯物がストーブに落ちてしまうかわかりません。洗濯物を室内に干す場合は、ストーブからは離れた場所に干すようにしましょう。
9・仏壇のろうそくや線香
仏壇のろうそくや線香も火災の原因になることがあります。今はろうそく型のライトがあるのでそのようなものを利用したりするのもおすすめです。少なくともろうそくをつけっぱなしにするというのは避けたほうがよいでしょう。また線香が倒れて仏壇に火がつくという火災の例もありますので、線香が燃え尽きるまで部屋を離れないようにするなどの対策が必要です。
義務化されている住宅用火災報知器の設置
平成23(2011)年6月から住宅用火災報知器の設置が各自治体により義務化されています。電池切れなどしていないか火災報知器の状態は常に確認するようにしましょう。
また消化器も用意しておきたいものです。最近はホームセンターなどで、期限が切れた消化器は引き取ってくれるサービスをやっているところもありますので、期限後の処理に困っていた人も買いやすくなっているのではないでしょうか。
私たちの生活の中にはちょっとしたことで火災になるというものが溢れています。乾燥している季節はとくに今回ご紹介したような内容に気をつけて、安全な生活を送ってください。