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【浜松市】浜名区・銅鐸公園隣接地でシラタマホシクサが見頃を迎えました(9月17日撮影)

麻生のりこ旅ライター・地域情報発信ライター(浜松市)

浜松市浜名区(旧北区)細江町にある「銅鐸(どうたく)公園」の隣接地で、保護育成されているシラタマホシクサ(白玉星草)が見頃を迎えました。

シラタマホシクサは、東海地方の天竜川以西から伊勢湾岸北部にある湿地などに生える日本の固有種で、絶滅危惧II類に指定されています。

普段なかなか見る機会のない花ですが、数年前に県立森林公園や銅鐸公園など浜松市内の一部地域で咲くことを知り、開花期の9月17日に銅鐸公園へ行ってきました。

待っててね~、シラタマホシクサ~。

駐車場脇の看板
駐車場脇の看板

銅鐸公園は細江町内にあるテクノランド細江と隣接している小さな公園です。

公園といっても遊具はなく、名前の由来はこの場所から銅鐸が複数出土されたことによります。

シラタマホシクサの花期は、おおむね9月下旬(場所によっては8月下旬)から10月初旬まで。

公園隣接地の湿地で咲いています。

銅鐸公園の駐車場
銅鐸公園の駐車場

駐車場への駐車可能台数は普通自動車だと5~6台ほど。出入り口が狭いため、出入りにはお気をつけください。

駐車場正面には、この付近で出土された銅鐸の説明や出土場所が記された案内板があります。

銅鐸公園の駐車場
銅鐸公園の駐車場

シラタマホシクサを見られるエリアは駐車場へ入ってから左側です。白いテントを目印に歩きましょう。

テント脇のシラタマホシクサ説明板(2024年4月からはNPOラブ・ネイチャーズ)
テント脇のシラタマホシクサ説明板(2024年4月からはNPOラブ・ネイチャーズ)

テント脇にはシラタマホシクサを保護育成しているNPOラブ・ネイチャーズによる説明板が。

それによると、ここはなんと静岡県内最大規模の育成地!

シラタマホシクサは右側奥にも
シラタマホシクサは右側奥にも

シラタマホシクサの育成地はテント正面のほか右側奥にも続いています。

シラタマホシクサを見るのは豊橋市の葦毛湿原で6年前に見て以来。

久しぶりに見ることもあり、ワクワクが止まらな~い。

正面の柵の向こうに咲くシラタマホシクサ
正面の柵の向こうに咲くシラタマホシクサ

正面の柵囲いの向こうには、そろそろ見頃を迎えたシラタマホシクサが。

「真っ白い金平糖のよう」と形容されるのも頷けますね。

うん。何回見ても(ってまだ2回目だけど)可憐で可愛らしい。見るだけで心が癒されそう。

右側奥へと続く階段
右側奥へと続く階段

階段の手すり(左)と柵の足元(右)に書かれた注意書き
階段の手すり(左)と柵の足元(右)に書かれた注意書き

右側奥へと続く階段は地面に丸太を横たわらせたものです。

一段ごとの高さが不規則なうえ、やや急なので足元には充分ご注意を。

また、柵の中へは立ち入らないように。もちろん採取は厳禁です。

階段を昇った先には小さな展望場所がありました。

おおおおお。柵の向こう側は、シラタマホシクサでいっぱいっっ!

明るく開放的な葦毛湿原とは異なり、森が開け日の当たる場所に咲いているシラタマホシクサは神秘的な雰囲気。

白玉星草の名の通り、まさに夜空に浮かぶ白い星のよう。

よく見ると、花と花との間にはキレイな水が流れていました。

森や斜面から湧き出る水がちょうどこの場所に集まり、湿地を形成しているようです。

とはいえ、シラタマホシクサの生育条件は湿地というだけではなく、酸性土壌で鉄分が必要です。

この地はそれらを満たす貴重な場所…!

NPOラブ・ネイチャーズの宮津さんによるとシラタマホシクサの今後は、雨風により10月末頃までに倒れ枯れ、そして来年へ命を繋ぐそう。

シラタマホシクサは枯れるとドライフラワーのようになります。

階段の途中から(クワイやハンゲショウは画像右側の真ん中よりやや上)
階段の途中から(クワイやハンゲショウは画像右側の真ん中よりやや上)

階段の途中から見下ろすと、森や斜面から湧き出る水が流れを作り、道路そばの小さな池に注いでいるのが見えました。

そしてどうやらシラタマホシクサは、水の流れの片側(柵側)だけに咲いている様子でした。

傾斜の具合で向こう側は湿地になっていないのかなあ。

ただ、水辺や湿地、湖沼などに生える、クワイやハンゲショウ、ミクリなどがあることから湿っていることは確かなようです。

シラタマホシクサの生育条件って本当に難しい…!!

池には浮草が白い小さな花を咲かせていました。

銅鐸公園隣接地ではシラタマホシクサが絶えないように、NPOラブ・ネイチャーズが2000(平成12)年から保護育成をしています。

土地開発や気候変動などから急速に生育場所が減少したシラタマホシクサを、この地で見ることができるのは、彼らの活動の賜物ですね。ありがとうございます。

そうそう。

花を咲かせていた浮草の名前を宮津さんに尋ねると、トチカガミだと教えてくださいました。

ここではその他、ミズギボウシやシュウカイドウ、ワレモコウなどを見ることができます。

さらに湿地特有樹木のサクラバハンノキやメギも。

シラタマホシクサは東海地方のごく一部エリアにしか咲きません。貴重な花に会いに出掛けてみませんか?

<基本情報>
シラタマホシクサの開花場所:静岡県指定史跡「銅鐸公園」隣接地
住   所:静岡県浜松市浜名区細江町中川7000-46付近
シラタマホシクサの花期:おおむね9月初旬から10月初旬まで
入場料:無料 ※柵の中への立ち入りや植物の採取は厳禁です
駐 車 場:あり(無料・5~6台程度)
公式サイト:NPOラブ・ネイチャーズ公式サイト(外部サイト) / 森をはぐくむ仲間たち「もりはぐ」内・NPOラブネイチャーズ(外部サイト)

現在、NPOラブ・ネイチャーズでは「シラタマホシクサを守る会」の会員募集をしています。

興味のある方はぜひどうぞ。

2024年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

旅ライター・地域情報発信ライター(浜松市)

日本史ミーハーな旅ライター。トラベルメディアでは国内の観光スポットなどをめぐり、取材記事を執筆しています。旅先で好きなこと⇒マンホールの蓋探し・西洋館探訪・神社仏閣参拝・城めぐり(18/100) / 2017大河ドラマ直虎まだまだ応援中。ここでは静岡県浜松市へ出掛けたくなる情報を発信します。

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