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リーチ マイケル、クリスマスイブ特殊興行の感想は?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
本拠地で躍動(写真:松尾/アフロスポーツ)

 クリスマスイブは自宅でパーティーでしょうか。

 東京は味の素スタジアムのミックスゾーンで聞かれ、リーチ マイケルは「はい」と応じた。

「焼酎です」

 日本代表として通算3度のワールドカップに出場したリーチが、好調を維持している。

 この日は東芝ブレイブルーパス東京のナンバーエイトとして、リーグワン1部・第2節のリコーブラックラムズ東京戦に先発。26分に退くまで強烈な突進、タックルを重ねる。 

 身長189センチ、体重113キロの34歳。一時は心身の不調もあったが、いまのワークレートには同僚のスクラムハーフである小川高廣・共同主将も太鼓判を押す。

「(ボールを)俺にくれ、俺にくれという感じ。ワークレートも高いし、いい時のマイケルだな、って思います」

 前半4分のチーム初トライも、敵陣中盤左で組んだスクラムの脇のスペースをリーチが突き破ったのがきっかけとなった。

 本人はこうだ。

「(スクラムからボールが)出た時にあまりにもスペースがありすぎてびっくりしたんですけど、そこで自分の持ち味のステップなどを出して、ゲインできました」

 17―10で勝利。当事者たちは攻め込んでスコアしきれぬ場面を反省も、ボール保持者の推進力やスクラム、ラインアウトの質で魅した。

 以下、リーチの共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——さすがの運動量。

「調子は上がってきています。8番なので、(ポジション柄)ボールが回ってくる。楽しいです」

——チームは。

「東芝らしい、ブレイブルーパスらしいスクラムの強さ、モールの強さがあると、試合の流れが変わってきます。ここが不安定になると、試合の流れが変わってきます。少しずつ若手も成長して、いいスクラムが組めるようになった(フォワード前列5名の先発はいずれも25歳以下)」

——試合を有利に運んでいた分、前半のうちにより多くスコアしたかったのでは。

「きょうはオフロードが多くて、その分、ミスもあった。そこで自分たちのいい形はできなかったです。理想の形ではない形でトライを獲れるかどうかが、次の自分たちの課題になると思います。

オフロードは、ディフェンスがしにくい。オフロードをした選手の周りがどうサポートするか(が改善点)になる。周りを見て、(オフロードパスをもらって防御の)裏へ出た後に、またラグビーをやればいい。そこ、修正したいです」

——今日が今年最後の試合でした。来年からどんな積み上げを。

「1週間、休みに入りますが、どんどん成長したいです。やっていることは間違っていない。そこを継続したいです」

 この日はブレイブルーパスのホストゲームだった。

 試合中は「リアル・グラウンド・サウンドシステム」と銘打ち、グラウンドの掛け声やぶつかり合いを集音してスピーカーで流した。

 ノーサイドの笛が鳴れば、出場選手がファンの帰路を見送った。

 リーチの所感はどうか。

——興行について。ファンのお見送りはされたのですか。

「はい。新鮮でした。初めてだったんで」

——「リアル・グラウンド・サウンドシステム」については…。

「どうでした? 僕は(グラウンドにいたため)わからないです」

——遠くのスクラムでの掛け声がしっかりと聞こえます。

「…僕は、生で聞いてるので」

 一同は笑った。

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ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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