やっぱり保育士の人数は大事!現場で見た保育士不足の園の裏側
お子さんを園に預ける際、希望園の保育士・幼稚園教諭の配置や職員数も確認項目に入っていますか?
教育内容、預かり時間、自宅や職場との距離、お友達関係などを考えて園を決定すると思います。
しかし、大事なお子さんの命を預けるのであれば、そして掲げている教育内容を実践してほしいのであれば職員配置や職員数は知っておいて損はないと思います。
いつ、誰が、どのような状況に陥っても保育できるような人員配置ができていることに損はありません!ギリギリの人員配置だとこのようなことが起こってしまうかもしれません。
今回は現場で見聞きした職員不足の園で実際に起こっている保育士・幼稚園教諭のメンタルや体調が蔑ろにされる過酷な状況と、その状況から起こりうるであろうことをお伝えします。
ここでは保育士・幼稚園教諭は感情・肉体労働であって、自身の心身の健康を保ってこそ、お子さまへの温かい接し方、より良い保育が提供できるということを念頭に置いて読み進めていただければと思います。
家族や自身が体調不良でも出勤!早退もできない
ご家庭には周囲への感染の可能性から「体調が悪かったら自宅療養」というふうにお願いをしていることも多いと思います。しかし、職員には「人数が足りないから欠勤・早退は困る」と強制的に出勤させられることも。
これでは、ご家庭に協力していただいても職員がウイルスを持っているのでは園内での感染は防げず、結局学級閉鎖になってしまう可能性もあります。
また、体調が悪い状態で保育にあたっていても良い保育もできないですし、普段なら防げる事故や怪我なども防げないかもしれません。
身内の救急搬送・不幸があっても出勤を促される。心無い言葉
配慮なしに「人数が足りないから出勤して」
「あなたが今病院へ行ってもどうにもならない」
「他の職員も大変なのに欠勤で迷惑をかけた」
保育士・幼稚園教諭は感情労働でもあるのにも関わらず、心が弱っている最中に上司から園の都合だけを考えた心無い言葉を浴びせられてしまったという話も。このような状況で、なぜ欠勤を責められなければならないのでしょうか。
たしかに人数が足りない、担当がいない状況では普段の保育ができない状況に陥ります。しかし、感情労働であるからこそ、自身の感情を安定させることでお子さまへの適切な言葉かけや対応ができるのです。
身内の危機や不幸で心配や傷心な中「大変な中ごめんね」などの言葉の配慮もなく、ロボットのように扱われてしまう保育士・幼稚園教諭。いくら頑張ろうと思っても、自分の心を蔑ろにされたままではなかなか普段の保育は難しいです。それが敏感なお子さまに伝わってしまい、不安定になることも懸念されます。保育者が楽しそうにしているからこそお子さまも楽しめるのです。
休憩なしの長時間労働で疲労感が抜けないまま保育
保育業界は休憩ができない職場も多く、職員不足だとなおさらです。さらに一人にかかる業務量も膨大なので長時間労働になりがち。そのため、つねに疲労感の残った体で保育をすることも多々あります。特に行事前は持ち帰りの仕事も多く休みがない状況に。
そのように休息を取れない状況では、メンタル面や体調面を完全に整えられるわけもなく万全な状態で保育できないことも。もちろん手は抜きませんが、心身共に元気な状態の保育とは異なり、お子さまたちにもそれが伝わってクラスが落ち着かないなどの悪循環になることもあります。
終わりに
乳幼児期は人生の基盤を作るとても大切な期間です。
だからこそ、どんな環境に身を置くか、どんな大人に関わるかが大切になってきます。その期間を心身ともに健康に充実した時間を過ごせるよう、園選びの際は職員数や職員配置なども見ていただけたらと思います。
国の配置基準はやはり今の保育現場にとっては厳しい面があり、独自の余裕を持った配置基準を取り入れている園もあります。気になった場合は園に問い合わせてみたり、保育士の転職サイトを見て頻繁に求人が出ていないか確認するのもいいかもしれません。
ただ、職員数が不足していても現場の保育者達はお子さまに真剣に向き合っています!
ですから職員数が多ければいいとは一概には言えませんが、不足してる現場ではこのようなことも起こっている・起こりうるということも参考にしていただければと思います。