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ホークス高橋純平が右脚故障から復帰。4月以来の登板で151キロ無安打0封の再出発「怖がらずに」

田尻耕太郎スポーツライター
ソフトバンクの高橋純平投手(筆者撮影)

「ソフトバンク三軍ー火の国サラマンダーズ」(8日、タマスタ筑後)

 右内転筋を痛めていたソフトバンクの高橋純平投手が1か月半ぶりに実戦登板した。

 先発でマウンドに上がると、「痛めた場所は全然気にならなかった」と気持ちよく投げ抜いた。

 1人目は初球の147キロで二ゴロに仕留めた。2人目はフルカウントから空振り三振を奪ったが、捕手が後逸して振り逃げ(記録は三振と暴投)。3人目はスライダーで空振り三振。4人目はこの日最速の151キロ直球などで追い込み、最後も真っすぐ勝負で二ゴロに打ち取った。1回で16球を投げて無安打無失点、奪三振2つの投球内容だった。

「出力は元通りだったし、クイックモーションでたまに(フォームの)タイミングがずれることもあったけど、変化球も指にかかっていたしゾーンに行った。最低限のアピールはできたかなと思います」

武田の助言で投げたカーブ

 右脚はキャンプ時から不調を感じていた。しかし、今季こそという危機感が当然ある。最初はコーチにも黙って投げ続けた。その後、報告をしたが「やれるだけやろう」と背中を押された。高橋純といえばスマートな出で立ちも相まって少しひ弱な印象もあるが、実際は芯が強く根性もある男だ。

 ただ、中途半端な状態で投げても結果がついてこず、離脱前最後の登板だった4月20日の中日戦は1/3回で6失点(自責3)と大炎上。そこで万全に戻すためリハビリ組へ移管となっていた。

「痛くないから怖がらずに左足を踏み込めて、右足も蹴れている。股関節もぐっと締まる」

 リハビリの期間も有効に過ごすべく、田中正義ら先輩たちにアドバイスを求めた。その中で武田翔太からはカーブの話を聞き、この日さっそく試投して空振りも奪った。

リハビリ卒業を誓う

「リハビリにドラ1(ドラフト1位)が多いので、一人でも抜けないと。まずは僕が抜けられるように」

 昨年は春先から一軍で10試合に投げて防御率0.00と好投していたにもかかわらず、アクシデントで右手を骨折して無念の離脱を経験した。今季はもう入団7年目。のんびりしている時間がないことは、高橋純本人が誰よりも自覚している。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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