観光シーズン迎え余市町内では慢性的な渋滞発生! それでも北海道庁は鉄道廃止を強行するのか?
余市町内では、うにオンシーズンを迎えて週末には慢性的な渋滞が発生している。余市町内には函館本線が通じているが、この函館本線の長万部ー小樽間140.2kmは、北海道新幹線の札幌延伸開業にともなってJR北海道から経営が分離されることになっており、2022年3月に北海道庁が主導する密室の並行在来線対策協議会において並行在来線の廃止の方針が強引に決定された。このうち余市―小樽間については輸送密度が2000人を超える区間で、通常では廃止とはなり得ない区間であることから、各所から疑問の声が噴出している。
また、深刻化するバスドライバー不足の問題から、沿線にバス路線網を展開する地元のバス会社は2023年10月に鉄道代替バスの引き受けが難しい見通しであることを道に伝えており、1年以上に渡って並行在来線対策協議会が開催されない異常事態も続いている。
こうしたことから、2024年6月24日に開会した余市町の定例町議会の一般質問において、余市町の斉藤啓輔町長は並行在来線の余市―小樽間について「バス転換合意は迅速かつ大量輸送の確保が前提。それが崩れる場合は合意を撤回する」と発言しているが、それに呼応するかのように北海道庁は近日中に「鉄道並みの輸送力を確保した場合のバスダイヤ案を発表する」という。北海道庁は並行在来線のバス転換について「ほかのバス会社やタクシー会社にも協力を求める」といい、終始一貫「廃線は決まったこと」として、バス転換以外の選択肢を排除する姿勢を崩していない。
余市町内では観光シーズンに慢性的な渋滞が発生している中で、北海道庁はこうした道路状況の中に鉄道並みの輸送量のバスを大量にぶち込んで、道路交通を麻痺させるつもりなのであろうか。そもそも、地元のバス会社が鉄道代替バスの引き受けをできないと言っている中で「鉄道の廃止は物理的不可能ではないか」という見方も多いが、北海道庁のやろうとしていることは正気の沙汰ではない。
(了)