エンジェルスに加入した外野手は、新ルールの施行で出番が減る!?
今年から、メジャーリーグでは、ピッチ・クロックや守備シフトの制限など、新たなルールが施行される。野手の登板についても、まだ正式な発表は出ていないが、条件が変更になるらしい。
これまで、野手が登板できるのは、6点差以上の状況か、延長戦に入ってからだった。このルールは、2020年に定められたが、新型コロナウイルスによるシーズン短縮により、2020年と2021年は適用されず、昨年から有効になった。昨年6月には、デーブ・ロバーツ監督(ロサンゼルス・ドジャース)が野手をマウンドに送ったものの、5点差だったために登板は認められなかった。この一件については「幻の「野手登板」。マウンドには行ったものの…」で書いた。
ESPNのジェシー・ロジャースやMLB.comのポール・カセラらによると、野手の登板は、8点差以上をつけられているか、8回を終えて10点差以上をつけているか、延長戦に入ってからのいずれかに限られるという。
今オフ、ロサンゼルス・エンジェルスに入団したブレット・フィリップスは、タンパベイ・レイズで通算4試合に登板している。2021年が1登板、2022年は3登板だ。直近の昨年7月1日以外の3登板は、いずれも点を取られている。昨年5月10日は、左打席に立った右打者のアンソニー・レンドーン(エンジェルス)にもホームランを打たれた。だが、昨年4月11日には、三塁側のダグアウトの前でスライディング・キャッチを披露し、2イニングを投げきった。
フィリップスがマウンドに上がったのは、それぞれ、9点ビハインドの8回裏、8点ビハインドの8回表、8点ビハインドの8回裏、7点ビハインドの8回裏だ。これらの状況に新ルールを当てはめると、最初の3登板は問題ないが、最後の登板はNGとなる。
なお、フィリップスは、第4の外野手として開幕ロースターに入る予定だ。これまでの6シーズンは、354試合で打率.188と出塁率.273、28本塁打。レイズとボルティモア・オリオールズでプレーした昨年は、83試合で打率.144と出塁率.217、5本塁打。スタッツから窺えるとおり、打撃はそう期待できないが、守備と走塁は優れている。また、2020年のワールドシリーズでは、第4戦にサヨナラ・ヒットを打った。2021年は、どちらも二桁の13本塁打と14盗塁。その13本目は、サヨナラ本塁打だった。