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不正物質の使用で退場のクローザーに代わり、過去に不正物質の使用で退場となったリリーバーが投げる

宇根夏樹ベースボール・ライター
エドウィン・ディアズ(左)Jun 23, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月23日、ニューヨーク・メッツは、5対3とリードして9回裏を迎えた。クローザーのエドウィン・ディアズは、試合を締めくくるため、マウンドに上がろうとした。けれども、1球も投げることなく、ダグアウトへ向かった。ディアズの手をチェックした審判は、不正物質を付着させていると判断し、ディアズを退場とした。

 ディアズに手についていた「ベタベタ」が、不正物質なのか、汗と滑り止めのロジンだったのかはさておき、メッツは、ディアズに代わって投げる投手が必要になった。

 登板したのは、ドルー・スミスだ。昨年の6月13日、7回表に起用されたスミスは、不正物質の使用により、こちらも投げる前に退場となっている。下の写真が、その場面だ。

ドルー・スミス(右から2人目)Jun 13, 2023
ドルー・スミス(右から2人目)Jun 13, 2023写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

カルロス・メンドーザ監督は、昨オフにニューヨーク・ヤンキースのベンチ・コーチからメッツの監督に就任した。ただ、スミスが退場処分を科された試合は、メッツ対ヤンキースだ。

 ちなみに、メッツの投手として、不正物質の使用で退場となったのは、スミスとディアズの他には、マックス・シャーザー(現テキサス・レンジャーズ)しかいない。

 スミスは、最初の打者2人をアウトにし、3人目のダンズビー・スワンソン(シカゴ・カブス)にシングル・ヒットを打たれたところで、ジェイク・ディークマンと交代した。ディークマンは、3球を投げ、代打のパトリック・ウィズダムを見逃し三振に仕留めた。スミスはホールド、ディークマンはセーブを記録した。

 1年前のスミスと同じように、ディアズは、10日間の出場停止処分となる(申し立てを行った場合、日数が減る可能性もある)。ディアズが不在の間、クローザーの役目を務めるのは、スミスやディークマンではなく、リード・ギャレットアダム・オッタビーノではないかと思われる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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