リーズナブルな満腹メシが魅力！大曲栄町にある「憩いの食堂」にGO！

こういうのが良いんだよな。目の前の定食を頬張りながら、私はそう思った。

秋田ラーメン界を牽引する名店『麵屋 十郎兵衛』や、スタイリッシュな空間で本格派の珈琲が楽しめる『ドッピオ コーヒー ファクトリー』など、人気店が集う大曲栄町。その一角に女性店主がひとりで営む「昔ながらの食堂」がある。

そのリーズナブルな満腹メシで、常連さんから愛される『いこい食堂』。平日は昼から夕方まで通し営業のため、昼飯難民にとっても嬉しい存在だ。

さっそく味のある暖簾をくぐり抜けると店主……ではなくて店主のお孫さんが登場。この親戚の家に遊びに来たような雰囲気も、昔ながらの食堂がもつ魅力のひとつだ。

どこか懐かしい面持ちの店内は、カウンターのほか小上りも完備。昼の混雑時は提供まで少し時間がかかるかもしれないが、そんなときは漫画棚の『スラムダンク』や『BØY』といった平成の名作たちが時間を埋めてくれそうだ。

品書き

ラーメン：600円、チャーシューメン：800円、みそ野菜炒め定食：750円、焼肉定食：850円、かつ丼：650円など。

麺類、定食、丼物と豊富なメニューが揃う『いこい食堂』。焼肉定食やかつ丼といった王道メニューと共に、カレーチャーハンなんていう変わり種の姿も見える。そんな中、今回私が注文したのは人気のみそ野菜炒め定食。カウンター越しに中華鍋を振る店主をチラ見しながら、その到着を待つとしよう。

お肉たっぷりの野菜炒めに大量の小鉢！古き良き食堂で定食の理想郷をゆく！

噂のみそ野菜炒め定食が登場。……って、小鉢の品数がハンパない。ひと口サイズの冷奴に茄子のおひたし、卵焼きも嬉しいじゃないか。お盆の上におふくろの味が全員集合だ。

小鉢も気になるけど、まずは主役から。結論からいうと、こいつは大正解だ。強火で炒めたシャキシャキの野菜に、肉もたっぷり。ビジュアルどおり白飯が進む仕上がりだが、かと言って味も濃すぎず良い塩梅。家庭的だが店主の熟練の技が垣間見える一品だ。

そして、この小鉢軍団に目を移そう。味が染みた茄子に甘さ控えな卵焼き、かつお節たっぷりのホウレン草や冷奴も良い感じ。この盛りだくさんの内容で、750円というのが嬉しい。財布に優しい価格で、満腹になってほしい。店主のそんな思いが伝わってくる。

うん、こういうのが良いんだよな。ひとり頷きながら野菜炒めに手を伸ばし、白飯を頬張る。そしてその合間に漬物やお浸しをつまみ、最後に温かい味噌汁を飲み干して、今日もごちそうさま。この老舗食堂を訪れたのは初めてだったが、常連さんに愛されているのも納得だ。

大曲で出会った憩いの食堂。そう、私が描く定食の理想郷が、ここにある。