まさかのバジル!「カプレーゼ大福」で魅せる伊勢屋さんのイタリアンと和菓子のハイブリット大福
さて、皆さんは和菓子の「香り付け」といいますと、どんなものを思い浮かべるでしょうか?シンプルな白餡やお餅、求肥に添えられる胡麻や抹茶、ほうじ茶、きな粉といった王道は外せませんね。また、紫蘇やニッキ、山椒といったややパンチのきいた和のスパイスにも惹かれます。
さらにこの季節になると、檸檬や柚子といった柑橘類のような酸味、清涼感に富んだ香りのものが店頭に並び始めますね。
けれど、ここにスパイスといえどもハーブが加わるとどうなるのでしょう?
その調和を見事に成し遂げていらっしゃるのが、福井県小浜市にお店を構える「伊勢屋」さん。
葛を練り上げてこし餡を包む夏季限定葛饅頭や、福井県の名物である丁稚羊羹でも有名なこちらのお店では、生クリームや餡子を掛け合わせたハイカラな大福も販売されています。
今回は催事限定商品でもあった「カプレーゼ大福」をご紹介。
まずその見た目のインパクトに驚き。形は一般的な大福となんら変わりはないのですが、その表面から滴るようにコーティングしている黄緑色の羊羹。こちらはなんと、バジルの羊羹なんです新緑のアクセントはフレッシュなバジル。ほんのりとオリーブオイルの香りもそよそよと漂い、なんとも不思議な感覚。
思い切ってがぶりと齧れば、爽快感とスパイシーなバジルの中に、生クリームとほんのりフルーティーな餡子の濃厚なコクがいっぱいに広がり、高級感のある味わいに舌鼓。淡い紅色のこし餡は、なんとトマト餡。トマトの酸味を控え、あくまで白餡としての美味しさを損なわないよう整えられています。そのため、福井県産のかぐら餅というきめ細やかで伸びの良い糯米を搗いた餅皮と調和し、和菓子としての魅力も満載。
クリームも甘味ではなくコクを強調したような、軽やかながらも乳脂肪分をしっかりと感じられる濃厚な仕上がりに。
バジルの清涼感、トマトのフルーティーな魅力、生クリームの満足感が三位一体となったこちらの大福は、そのままでも美味しく召し上がることができますが、なんとなく白ワインがほしくなってしまうような…
斬新な発想でありながらも、お餅や餡子との計算された相性の良さをひしひしと感じられるカプレーゼ大福でした。
尚、伊勢屋さんでは他の味わいの生クリーム大福をオンラインにて販売しております。