侍ジャパン女子日本代表 強化試合で阪神に逆転勝ち
『カーネクストpresents 第9回女子野球ワールドカップファイナルステージ』へ向け強化合宿中の侍ジャパン女子日本代表が、2日目となる25日、阪神タイガースWomenとの強化試合を行い、12-10と逆転勝ちをおさめた。試合は、9イニング制、3回と7回はタイブレーク方式、また打順や守備を試すために、一度ベンチに下がった選手も再出場可という特別ルールの下、行われた。
実戦で見えた収穫と課題
侍ジャパン女子日本代表の先発、小野寺佳奈(読売ジャイアンツ)が2回に3与四球、5安打を許し6点を献上、追いかける展開に。硬さの取れた中盤以降、得点を重ね2点差に詰め寄ると、8回、1死から星川あかり(淡路BRAVE OCEANS)の左前安打、連続四球で満塁からの連打で一挙6得点と逆転し勝利した。収穫と課題が多く見つかる試合となった。
試合後、小野寺の乱調に「大量失点は想定していなかった」と話した中島梨紗監督。「ただ、これもありえること」とし、「経験できたのは良かった」とした。この試合には5投手が登板し、5番手の里綾美(埼玉西武ライオンズ・レディース)が8回に三塁打を連打され2点を失う場面も。
総括として中島監督は「与えてはいけないフォアボール、慎重に行きたい場面での初球の入り、絶対にボール球を投げないといけない場面で、ほんの少し中へ入ってしまうなど細かな制球力を見直し、スキルを上げていって欲しい」と投手陣への課題を口にした。
打順や守備位置をかなり入れ替えた野手陣については「いろいろ試す中で、誰がどの守備だと機能するのかや、打順の流れを見ることができ収穫となった」と話した。明日の東広島ボーイズとの強化試合にどう生きてくるか。
新加入の侍戦士の活躍光る
新加入の侍戦士の存在感が増した試合でもあった。3回から2番手でマウンドに上がった土屋愉奈(環太平洋大学)は、走者を出しながらも無失点に押さえる粘りで攻撃のリズムを作った。しっかり腕を振る思い切りの良い投球に、中島監督も「ストライク先行の投球で嫌な流れを断ち切ってくれた。それがあったから(裏に)1点を返せ、その後の反撃につながった」と称えた。
1番に入った長田朱也香(読売ジャイアンツ)も新加入の一人。先頭打者となった5回に三塁打で好機を作り、8回の一死満塁の場面では2者を帰す適時打を放ち勝負強さを発揮した。長田自身も「積極的に振ることと、勝負強さが持ち味。そんな打撃が発揮できて良かった」と振り返った。「第一打席で出塁できなかった」との反省も忘れなかった。
また、「どこでも守れるよう準備している」(長田)という守備では、捕手登録ながら左翼で長打を許さない手堅い守りを見せたほか、三塁手も務めるというマルチぶり。勝利への貢献にも期待がかかる。
26日は強化合宿最終日
チームはいい雰囲気になってきていると話す中島監督。試合中の声掛けなど細かな部分を詰めていけばまだまだ強いチームになれると確信している。強化合宿最終日にどこまで進化するか楽しみだ。
(撮影はすべて筆者)