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那須川天心が激戦のバンタム級に宣戦布告 ライバルとなるボクサーは?

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真提供全て FUKUDA NAOKI

23日、エディオンアリーナ大阪で、ボクシング121ポンド(約54.89キロ)契約8回戦が行われ、東洋太平洋&日本スーパーバンタム級7位・那須川天心(帝拳)がルイス・ロブレス(メキシコ)と対戦した。

天心はデビューから僅か3戦で世界ランカーと対戦した。

試合の展開

試合が始まると天心がジャブをついて相手をコントロールする。上下にパンチを散らし攻撃を仕掛けていく。

相手のロブレスも中に入ろうとするが、天心のスピードについていけない。

続くラウンドではロブレスもペースを上げてくるが、天心は打ち合いには付き合わないで足を使いながらサイドに動いていく。

左ボディが効果的に決まりペースを掴んでいった。完全にペースを握った天心は攻勢を強めて勝負を掛けにいく。

天心のパンチが的確にヒットして、ロブレスも苦しい展開だ。ボディも効果的に入り、勢いがなくなっていく。倒すのも時間の問題となった。

そして4ラウンド目のインターバルで、ロブレスが右足首を負傷し、陣営から棄権の申し出があり天心のTKO勝利となった。

最後はあっけない幕切れとなったが、公言通り進化した姿を見せ、世界ランカーを圧倒した。

天心の進化

試合後のインタビューでは、「前回と比べて進化を見せられた。自分でも強くなっていると思っている。ダメージもないので次もすぐやりたい」と語った。

前回の試合から僅かな期間ではあったが、確実に動きに変化があった。どっしりとした構えからジャブをつき、相手にプレッシャーをかけ試合をコントロールしていた。

特に上下の打ち分けが素晴らしく、左ストレートのボディ打ちが効果的だった。下が当たり始めると顔面へのパンチも当たりやすくなる。

一発一発のパンチも力強さと迫力が増し、KOへの意気込みが感じられた。試合は途中で終わってしまったが、世界ランカーを相手に実力を見せつけた。

また、今後に向けては「バンタム級でいけると感じている。日本人で強い選手が多いけどバンタム級で世界を狙っていく」と激戦のバンタム級に宣戦布告した。

激戦のバンタム級について

バンタム級は近年稀に見る日本人ボクサーのタレントが揃う注目階級だ。

WBAバンタム級王者には井上拓真(大橋)が君臨している。2月24日に初防衛戦で、元IBF世界スーパーフライ級王者のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)と対戦する。

同日には、2階級王者の中谷潤人(M.T)が、WBC王者のアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に挑戦する。共に勝利すればバンタム級に2人の日本人世界王者が存在することになる。

さらにキックボクシングから転向し8戦全勝全KOの武居由樹(大橋)が、世界挑戦を見据えている。

他にも元世界フライ級王者の比嘉大吾(志成)や、前日本バンタム級王者の堤聖也(角海老宝石)、WBA1位の石田匠(井岡)、IBF1位の西田凌佑(六島)など日本勢がひしめいている。

今日の天心の動きを見れば十分に、世界クラスの実力者とも戦っていけるレベルにあるだろう。勝ち進んでいけば日本人ボクサーとの対戦も見られるかもしれない。

今回の試合で世界ランク入りも確実だ。15位以内にランクされれば、世界王座への挑戦権が得られる。まだプロ3戦しか経験が無く陣営もじっくり育てていく方針のため焦ることはない。

次戦は3月か4月に海外か国内で試合をする予定のようだが、今回の試合で今後がますます楽しみになった。抜群の知名度と実力をもつ天心が、この階級の台風の目となっていくだろう。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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