LD(学習障害)の特徴を理解、援助・支援の仕方。
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は、「LD(学習障害)の特徴を理解、援助・支援の仕方」というテーマでお話したいと思います。
学習障害(限局性学習症、LD)とは? でも、LDについてお話しさせて頂いたのですが、ちょっと難しい言葉を使い過ぎたきらいがあるので、今日はもっとわかりやすくお伝えしたいと思います。
LDの子は、
特に知的面については遅れは感じないものの、
学習面につまずきやすく、次のような特徴を示すことが多いです。
1.本を読む時に、同じ行を読んだり飛ばして読んだりする。
2.算数の計算で、けたをずれて計算すること、書くことが多い。
3.尋ねられたことに対して、関係のないことを言ったりする。
4.いろんなことを知っているのに、数の理解が進まない。
5.文字を書くのが苦手、器用に鏡文字を書いたりする。
続いて、次のような子は、
LDというよりかは、ADHD か ASD か DCD の可能性が高いと思われます。
1.1対1で話すとよくわかるのに、集団の中では理解が悪い。
2.おしゃべりだけど、話がとんだりずれていく。
3.強いこだわりがあったり興味の偏りがある。
4.とにかく落ち着きがない
5.ひとりでぼんやりしていることが多い。
6.すごく不器用。身体の動きがぎこちない。
「LD(学習障害)とは、何か?」をひとことで言い表すとすれば、次のようになります。
1.知的発達に遅れはない。
2.学習上の基礎的能力(聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと、計算すること、推論すること)を習得し、使用することについて、ひとつないし複数の著しい困難がある。
3.視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害ではない。
4.親の育て方に問題があったわけではない。
5.脳の中枢神経系に何らかの機能障害があることが推定される。
LDの子は、私たちとは違う脳を持っています。
よって次のような言葉はLDの子の援助にはなりません。
1.「頑張れば出来るよ」
2.「みんなはちゃんと出来るよ」
3.「いつかは出来るようになるから」
4.「勉強よりも大切なことがある」
LDの子に対しては、
家庭と学校と医療関係者の連携で、彼らを援助していかなければなりません。
LDの子に対しては、次の点に注意して、教育・指導していくと良いでしょう。
1.教える時は、内容を細分化して、ひとつずつ教えていくようにする。
2.本人が理解しやすいよう具体的な教材を用いる。
3.学習の速度に配慮する。根気よくゆっくり丁寧に教える。
4.感情的にならず、気が遠くなるほど、何度もくり返し教える。
5.出来たら褒める。「どこが上手に出来たか」本人にわかりやすく伝える。
LDの子は、馬鹿じゃないのです。
言ってわからない子ではないのです。好きでLDになったわではないのです。
LDの子に対して、怒ったり叱ったり呆れてばかりいると、本人は鬱になったり、自己肯定感が下がってしまうので、そのあたりはどうぞ十分に注意して下さい。
話は変わって、
以前、私は、ある小学校に、講演会で呼ばれて行って、1年生のクラスの授業を参観させてもらったのですが、そこで大変に感心したことがあります。それは、担任の先生が、児童に向かって、「お口を閉じて」「手を膝の上に置いて」という言葉を使ったことでした。私は、それを聞いて、「これは具体的で大変にわかりやすい、優れた指示だなあ…」と思いました。もしも先生が、「静かにしなさい」とか「ごそごそしない」と言ったのなら、児童は何をしていいのか、きっとわからなくなってしまったかと思います。どうぞ、今の話を聞いて、LDの子に対しての接し方の参考にして下さればと思います。
最後に、自分の子どもが「LDかな」って思われた親御さんは、お早めに、お近くの発達障害者支援センターにお出かけになることをお勧めいたします。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。