ようやく走り梅雨明けで初夏の陽気、カラッとした暑さも紫外線に注意
「走り梅雨」明け
令和4年(2022年)は、5月4日に沖縄地方で、5月11日には鹿児島県奄美地方で、ともに平年より早く梅雨入りをし、曇りや雨の天気が続いていました。
その他の地方は、まだ梅雨入りをしていませんが、関東地方など、太平洋沿岸の地域でも雲が多く、時々雨が降って気温があがらない天気が続いていました。
「走り梅雨」に入ったのですが、5月18日になると、大陸育ちの大きな移動性高気圧に覆われ、梅雨前線も沖縄の南海上に南下したため、ほぼ全国的に晴れて初夏の陽気になりました。
「走り梅雨」が明けたのです。
5月19日は、梅雨前線が少し北上する沖縄地方と、低気圧の通過によって大気が不安定となる北海道では雲が広がり、所により雨が降りますが、ほとんどの地方では晴れて気温が高くなる見込みです(図1)。
4回目の暑さ
4月2日には、全国で気温を観測している914地点のうち485地点(約53パーセント)で最低気温が氷点下という真冬日でした。
しかし、この真冬日は5月に入るとほとんどなくなり、変わって、最高気温が25度以上という夏日が周期的に急増するようになってきました(図2)。
5月7日に457地点(50パーセント)で夏日でしたが、5月18日も384地点(約42パーセント)で夏日でした。
梅雨に入っている沖縄・奄美地方以外の晴天は、少なくとも、週末に前線上で発生した低気圧が本州の南海上を通過するまで続きそうです。
ただ、この低気圧が本州南岸を離れて通過となると、5月24日頃までは晴天が続くことになり、梅雨入り前の貴重な晴れ間がしばらく続くことなります。
大陸育ちの高気圧
東京の6月初めまでの気温予測をみると、5月中旬まであった最高気温が15度位までしかあがらない日はなくなります。
とはいえ、気温が高くなると言っても、最高気温が25度前後までしかあがらず、最高気温が30度以上の真夏日にはならない見込みです(図3)。
札幌も似た状況です。
札幌は、5月上旬に真夏日を観測するなど、記録的な暑さとなりましたが、その後、最高気温、最低気温ともに平年より高い日が続いていますが、極端に気温が高い日はない見込みです(図4)。
これは、晴天をもたらしている高気圧は、大陸育ちなので乾燥しているからで、晴れて気温が高くなりますが、極端な暑さにはなりません。
屋外活動に適したカラッとした暑さと考えられますが、紫外線に注意が必要です。
紫外線に注意
気象庁では、今日または明日の上空から地表面に向かう紫外線の強度を、天気を考慮してUVインデックスで予測しています。
UVインデックスとは紫外線が人体に及ぼす影響の度合いをわかりやすく示すために、紫外線の強さを指標化したものです。 国内では環境省から「紫外線環境保健マニュアル」が刊行され、この中でもUVインデックスに応じた紫外線対策の具体的な例が示されています(図5)。
気象庁が発表した紫外線予報によると、5月19日は、東日本の太平洋側から西日本、南西諸島ではUVインデックスが7(強い)以上で、所により8(非常に強い)となっています(図6)。
紫外線が強いのは、太陽の高度が高くなるときです。
雲がなければ、夏至の頃が一番強く、一日でいえば、日が高い11時から13時頃が一番強くなります。
同じ晴れている日でも、空にちりやほこりが少ないときも紫外線が強くなります。
ちりやほこりによって紫外線が2割程度弱くなることがあります。
つまり、雨あがりの晴天(梅雨の晴れ間)は、紫外線が強くなりますので注意が必要です。
真夏は、気温が非常に高いことから自然と屋外に居る時間が短くなりますので、紫外線が危険なのは、知らず知らずのうちに長期間屋外に居がちな、今、梅雨の晴れ間(走り梅雨の晴れ間)です。
UVインデックスの情報を利用し、適切な紫外線対策を行ってください。
タイトル画像、図5、図6の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:気象庁ホームページ。
図2の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。
図3、図4の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。