新生活におすすめの緑茶は「くき茶」!コスパ良し、リラックス効果、いれ方簡単で初心者でも気軽に楽しめる
新生活スタート!新年度スタート!
普段より忙しくなったり、新しい生活に慣れるためにストレス多めな方にお勧めの緑茶をご紹介します!
さらに、
お茶のいれ方に自信がないけど簡単にいれられておいしい茶葉は?
高価でなくてもおいしいお茶ってあるの?
そんなすべてのお悩みを解決する茶葉、ありますよ!イチオシが!!!
しかもリラックス効果があると言われるテアニンが豊富に含まれる茶葉!
それは、
「くき茶」!
え?何それ?知らない!
そうなんです。茎茶はツウのお茶好きさんに好まれる裏メニュー的な茶葉。
あまりお店の前面に出てアピールする感じのお茶ではありません。
でも忙しい方や初心者の方にこそおすすめしたい理由がたくさんあります!
裏メニューにしておくのはもったいないので、この道19年になる日本茶インストラクターが今回は「くき茶」にスポットを当てたいと思います。
「くき茶」ってはじめて聞いたけど何?
別名「棒茶(ぼうちゃ)」や「かりがね」「白折(しらおれ)」とも呼ばれる「くき茶」はスーパーなどではあまり見かけませんが、日本茶専門店では扱っているお店が多いです。
私が日本茶専門店のお店に立っていたころにくき茶を購入するお客さんを見ては「ツウだなぁ」と思っていました。
なぜならくき茶は値段も安く味も良い、知っている人は知っている優れたお茶、だからです。
でもどうして裏メニュー的な存在なのか?
それはくき茶はお店の主力商品ではないからです。主力商品はあくまで贈答用にもなる煎茶や玉露なのです。
しかし、「自宅用に安くておいしいお茶はありませんか?」と聞かれたら私はくき茶をおすすめします。
煎茶や玉露になれない「くき」を集めたくき茶
煎茶や玉露は、見た目もきれいなそろった茶葉のみ選別して商品にしたものです。
その陰で、製造を経て茶葉を仕上げる際にふるいにかけて分けられる、煎茶や玉露になれない部分があります。
これをひっくるめて業界用語では「出物(でもの)」と言い、価格も安くなります。
大きな葉や固い葉を「番茶」と呼び、これはそのまま「番茶」として売られたり、玄米茶やほうじ茶の原料となったります。
※全国的には「番茶」はいろいろな形があるため、ここでは関東地方での番茶の説明にとどめます。
逆に細かくなりすぎた粉の部分を「粉茶」と言います。
ミルで挽いた粉末茶ではなく、茶葉として細かいものです。回転寿司ではない昔ながらのスタイルのお寿司屋さんで出される「あがり」はこの粉茶を使っていれられています。
そして、仕上げ工程で出る茎だけを集めたものが「くき茶」です。
摘んだお茶の葉には茎も混じっていますが、茎が多すぎると煎茶や玉露の見た目にも関わるため選別します(甘味を加えてバランスの良い味にするために後から茎を少量混ぜている煎茶もあります)。
選別して捨てるのではなく、茎だけを集めて「くき茶」として安く提供しているのです。
くき茶はそのままで販売される場合もありますが、焙煎して「くきほうじ茶」として販売されることもあります。
特に石川県の金沢の「加賀棒茶(かがぼうちゃ)」は茎のほうじ茶で有名です。
新生活にくき茶をおすすめする3つの理由
では、くき茶をおすすめする理由をみていきましょう。
くき茶は低価格でコスパが良い!
新生活は何かと物入り。新しい服や靴、身の回りのものなどを購入するため、お茶にはあまりお金をかけたくない。
くき茶なら、煎茶などに比べてかなり低価格で購入でき、安いものだと100g300円くらいから手に入ります。
このランクのものも苦味や渋味は少なく、すっきりしたした味でおいしく飲めます。
玉露や高級煎茶のくき茶となるとそこまで安くはないですが、同じ畑で育った同じ葉からできているにも関わらずびっくりするほど価格が低くなります。
例えば100g3000円以上の玉露の場合、玉露のくき茶になると半額以下、100g1000円くらいから購入できます。
くき茶であっても玉露にたくさん含まれる甘味やうま味の成分であるテアニンが豊富で苦味がほとんどありません。
玉露と同じように低温の少量のお湯でいれると玉露と同じ味が楽しめるので、玉露が好きな方にはおすすめです。
玉露が口に合うかくき茶で味を試してみる、という使い方も良いでしょう。
くき茶も内容によって違うので、どんな茎が入っているかお店の人に聞いてから購入するのがおすすめです。
くき茶には注目の成分「テアニン」が多く含まれリラックス効果あり!
新生活はワクワクドキドキ楽しい反面、慣れない生活に疲れてしまうことも多いと思います。
そんなときこそ、緑茶の成分「テアニン」が手軽に摂れるくき茶がおすすめです!
テアニンは脳をリラックスされる効果があると言われているので、ストレスフルな生活の合間にくき茶を飲んでほっとひと息できたら良いですね。
茶の木の根で作られたアミノ酸の一種「テアニン」は茎を通って葉に運ばれます。
そのため茎にはテアニンが多く含まれると言われています。
このテアニンは飲み物としてはお茶にのみ含まれており、特に玉露や抹茶に多く含まれます。
玉露や抹茶は特別感のある高級茶で味も香りも濃厚なため毎日飲むのは難しいかもしれませんが、普通の(玉露の茎ではない)くき茶はすっきりした味で飽きにくいため日常的にテアニンを摂りたい場合はくき茶が最適です。
テアニンについては長くなるのでまたいずれ記事にしたいと思っていますが、ご興味のある方は下記の情報をご覧ください。
・太陽化学株式会社「テアニンって何?」(外部サイト)
・株式会社伊藤園のニュースリリース「抹茶の継続摂取による睡眠の質の向上と社会的認知機能の改善を確認」(外部サイト)
くき茶はいれ方が簡単で失敗しない!
くき茶は適当に熱湯でいれてもおいしくいれられて失敗知らずです。
茎の部分に苦味や渋味の成分は少ないため、くき茶は熱湯でさっといれても苦味渋味の少ない飲みやすいお茶になります。
熱湯でいれると香りが立つので、香りを楽しみたいときは熱湯に限ります。
そして良いくき茶は低温でも楽しめます。
ここで言う良いくき茶とは、値段も少し高めで高級煎茶や玉露の茎を集めたもののこと。
高級煎茶や玉露の茎を集めた高価格帯のくき茶は、熱湯でいれれば香りが、低温でじっくりいれれば甘味やうま味、と二通り楽しめるので、その日の気分やシチュエーションいれ方を変えるもの良いでしょう。
仕事や勉強前にシャキッとしたいときや時間のないときは熱湯で(熱湯ならカフェインも抽出されやすいです)、午後にゆったりとリラックスしたいときは低温で抽出がおすすめです。
寒い日は熱湯でそれ以外は低温でいれるというのも良いです。
しかし低価格帯のくき茶の場合は濃厚な甘味やうま味は茶葉の中に含まれないので、いくらお湯の温度を低めにして抽出時間を長くしてもぼやけた味のお茶になってしまうため、熱いお湯でいれた方がおいしいです。
さらに、くき茶は急須が詰まりにくいのもポイントです。
くき茶はほとんどが茎なので急須の穴に詰まりにくいため、急須のお手入れが簡単です。
まさに初心者の方におすすめの茶葉!
急須でいれるのはまだハードルが高いと感じる方は、茶葉だけ購入して、過去記事「マグカップと100均のアレを使って日本茶をいれる「時短ドリップバッグ」!熱湯向きの茶葉3選もご紹介」を参考に、だしパックを使用したお茶のいれ方で楽しんでみてください。
だしパックのいれ方でもしっかり三煎目くらいまではおいしくいれられますよ!
くき茶のデメリットはあるの?
ここまでくき茶のメリットだけをお伝えしましたが、デメリットも少しだけあります。
くき茶は三煎目くらいが限界
茎の部分がほとんどで葉の部分が少ないくき茶は、一煎目が一番濃くおいしく飲めますが、二煎目や三煎目になるとだんだんさっぱりとした味になります。
四煎目ともなるとかなり薄くなるものもありますので、大体は三煎目くらいが限界ではと思います。
三煎目くらいまで楽しんで終わりにし、それ以上飲むのであれば、一度急須を洗ってから茶葉を新しく入れ替えてお茶をいれるのが良いですよ。
くき茶は贈答用には使わない方が無難
くき茶を含む「出物」全般やほうじ茶や玄米茶にも言えることなのですが、これらは一般的には家で飲むための日常のお茶です。
だれかにプレゼントとして差し上げる贈答用にはしない方が無難です。
昔からの風習として「ハレ(特別な日のもの)」と「ケ(日常のもの)」を分ける文化もあります。
服で言うよそ行きと普段着の違い、料理で言うお祝いやお客様にふるまうご馳走と家庭で食べるご飯の違いです。
ただし、カジュアルな贈り物や気心の知れた間柄なら「私のお気に入りのお茶」としてプレゼントするのは良いと思います。
贈答用には選ばない方が無難と言うことは、来客の際にお客さんに出すのも良くないの?と思われる方もいるでしょう。
来客の際にお客様の目の前でお茶をいれる場合は煎茶などの方が見た目の点でも喜ばれるかもしれません。
しかし、裏でお茶をいれて運んでお出しする場合は、お茶の見た目は煎茶とあまり変わりませんから甘味のあるおいしいお茶として喜んでいただけるのではと思います。
親しい間柄なら、「これ、おいしい!どこのお茶?」と聞かれくき茶の話題で盛り上がることもあるかもしれません。
新生活にぜひくき茶を!
くき茶はリーズナブルでテアニンのリラックス効果も得られ、忙しい朝にも熱湯でOK!と三拍子そろった緑茶です。
コスパ良し、リラックス効果、いれ方簡単で失敗知らずのくき茶をぜひ新生活に取り入れてみてくださいね!
新生活、お茶で応援します!
次回はいよいよ「急須でいれるお茶のいれ方」をご紹介します。
この春、急須にチャレンジしてみたい方、必見です。