トランプ氏、“ラストベルト”で苦戦か!? バーニーが2桁リード サンダース陣営調査
今、大統領選の本選挙が行われたら、ラストベルトでは、サンダース氏がトランプ氏に勝つ。
そんな世論調査結果を、NBCニュースなどアメリカのメディアが報じている。
ラストベルトは今回はサンダース氏支持!?
調査は、バーニー・サンダース氏の選挙陣営が、ミシガン州、ウィスコンシン州、ペンシルバニア州の有権者(4月14日〜18日に、各州400人に調査)を対象に行ったもの。
その結果、今、サンダース氏とトランプ氏が大統領選の本選挙で一騎打ちすることになったと仮定した場合、これらの3州では、サンダース氏に投票すると答えた人々の%がトランプ氏に投票すると答えた人々の%を上回っていることがわかった。ミシガン州とウィスコンシン州では2桁リードしている。
ミシガン州ではサンダース氏に投票すると答えた有権者が52%だったのに対し、トランプ氏に投票すると答えた有権者は41%とサンダース氏が11ポイントリード。また、ウィスコンシン州では10ポイント、ペンシルバニア州では8ポイント、それぞれリードしていた。
これらの3州は、かつて、鉄鋼業や製造業で栄えていたが、今ではその産業が衰退したことから、“ラストベルト(錆びついた工業地帯)”と呼ばれている地域だ。2016年の大統領選時には、“ラストベルト”は勝敗の決め手となる激戦州となり、トランプ氏がこれら3州を全て勝ち取ったことが(共和党大統領候補がこれらの3州を勝ち取ったのは1988年の大統領選以来だった)彼の大統領当選に繋がった。
しかし、今回の調査結果は、勝利の鍵を握る“ラストベルト”で、トランプ氏がサンダース氏に敗れる可能性を示唆している。
高等教育を受けていない白人層も支持か
また、サンダース氏は無所属層の支持も大きく得ていることがわかった。無所属の有権者では、サンダース氏はミシガン州で22ポイント、ウィスコンシン州で18ポイント、ペンシルバニア州で11ポイント、それぞれリードしている。
トランプ氏は先の大統領選では4年制大学を卒業していない白人有権者層の支持を集めていたが、今回は彼らの支持を集めることに苦戦する可能性も調査結果は示唆している。この層の有権者では、サンダース氏はウィスコンシン州で5ポイントリード、ミシガン州では対、ペンシルバニア州では2016年の大統領選時の民主党大統領候補たちよりは良い状況だからだ。
教育や保険制度の改革を評価
また、調査では、サンダース氏はリーダーシップや人物特性、課題へのアプローチにおいてもトランプ氏より支持を得ている。特に、信頼性や結束力、共感力の点で、ミシガン州とウィスコンシン州では、トランプ氏を20ポイント以上も上回っている。
政策面に関する質問でも、サンダース氏は強い。例えば、「どちらの大統領候補が教育を改善し、大学の授業料をより手頃にすると思うか?」という質問に対し、ミシガン州とウィスコンシン州では、サンダース氏はトランプ氏を30ポイント以上も上回っていた。
また、サンダース氏が主張している国民皆保険制度の導入についても、調査した3州では、60%近くの有権者が支持している。
ちなみに、各調査の誤差は±4.9%だった。
“ストップ・サンダース”運動も
しかし、2016年の大統領選時、多くの世論調査で、クリントン氏の支持率がトランプ氏を上回っていたにもかかわらず、クリントン氏が敗れたことを踏まえると、調査がどれほど信頼にたるものか疑問ではある。
また、最終的に、サンダース氏 vs トランプ氏という決戦になるかも不透明だ。現在のところは、民主党大統領候補たちの間では、サンダース氏が最もリードしているが、社会主義的で過激な政策という批判の声があり、民主党主流派支持者の間では“ストップ・サンダース”運動も起きているからだ。この動きに対し、サンダース氏は「彼らは私のことを怖がっているんだ」と反撃。民主党の内部分裂が始まっている。
また、4月25日(米国時間)に大統領選への出馬表明を予定している民主党中道派のジョー・バイデン氏も、サンダース氏の強力なライバルになるだろう。
決戦までの道のりは長い。