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月面に墜落したクマムシ もしかして繁殖している?SLIMとクマムシが会合する可能性は?

クマムシの宇宙飛行イメージ図©UC Santa Barbara

JAXA月着陸機「SLIM」の月面着陸成功から、日本の宇宙開発が盛り上がってきましたね。NASAが主導しているアルテミス計画では、日本人2人が月面に着陸することが正式に発表されました。

本記事では、過去に月面着陸に残念ながら失敗してしまった着陸機と、それに搭載されていた宇宙最強生物「クマムシ」の恐るべき可能性をご紹介します。

「クマムシ」NASAが片道切符で光速30%の恒星間飛行を計画中!?

■実はクマムシは宇宙最強!?

クマムシは身長0.05~2mmの無脊椎動物の仲間です。

こんなに小さいクマムシですが、実は宇宙業界では最強生物として名を馳せています。その理由のひとつ目は、空気がない極限温度環境でも生きられることです。なんと、空気や水がないマイナス270度という超低温から150度という環境でも生きることができるんですね。湿った地面から水中、深海から高山まで多様な環境に生息しています。宇宙服もなしでなんてタフな生物なんでしょう。

続いては、クマムシは乾眠という代謝を1万分の1まで下げた状態になることができます。この状態では、水分消費量を通常の1%まで減らすことができるんです。ということは、長い宇宙空間での旅の間も生きるための物資がほとんど必要ないというメリットが挙げられますね。

極めつけは、X線致死線量は人間の約千倍で、DNAが損傷しても修復機能があるんです。そのため、人間のように放射船から宇宙船で身を守る必要はないんですね。非常にエコな生物です。いかがでしょう、どうやっても倒すことのできない最強の生物に思えてきたのではないでしょうか。

■クマムシ月着陸計画が始動

月着陸機「ベレシート」©Wikipedia
月着陸機「ベレシート」©Wikipedia

そして、このクマムシの特性に目をつけた科学者たちは、クマムシを搭載して月面着陸計画を行うことを計画しました。

クマムシが搭乗する宇宙船は、イスラエルの民間宇宙船「ベレシート」ヘブライ語で「創世記」を意味しています。無事に月面に着陸できれば、アメリカ、ソ連、中国、に続き4か国目となります。生物としては人間に続く2番目となり、クマムシにとっては相当なプレッシャーだったことでしょう。

2019年、宇宙船ベレシートとクマムシは、世界の無脊椎動物たちから見送られ、ファルコン9ロケットにより地球を出発。そのときのクマムシ乗船員たちの気持ちは、きっと宇宙戦艦ヤマトさながらの使命に満ちていたことは想像に難くありません。それからの月までの道のりは順調そのものでした、きっとクマムシたちは繁殖ぐらいしかやることなかったんじゃないかなと思います。

■クマムシ、遂に月着陸に挑戦!

月着陸機「ベレシート」墜落後の月面画像©Wikipedia
月着陸機「ベレシート」墜落後の月面画像©Wikipedia

そしていよいよ月に接近、着陸準備体制に入りました。しかし、月高度149mでエンジンにトラブルが発生!べレシートは月面着陸に失敗し衝突、クマムシは行方不明となってしまいました。そう、クマムシは月の上で帰らぬ人(生物)となってしまったのです。まぁ、元々帰還する予定もなかったのですが。

それでは、クマムシはどうなってしまったのでしょうか。それは科学者の中でも意見が分かれていて、クマムシが今も月の上で生きているのではという考えもあります。実はクマムシが搭乗していたコックピットは、合成樹脂と人工琥珀という高い強度の材料で二重に守られていたのです。きっと月に着陸して生存したニール・クマムシストロング船長は、「クマムシにとっては小さな一歩だが 無脊椎動物にとっては大きな飛躍である」と名言を残したに違いありません。

■もしかして、クマムシは月面で繁殖してる?

月面で散歩しているクマムシのイメージ©Shutterstock/NASA
月面で散歩しているクマムシのイメージ©Shutterstock/NASA

そして、科学者の間ではもう一つの仮説が急浮上し、物議をかもしています。それは、「クマムシが月の上で繁殖し、いずれ占拠してしまうのでは」実際に想像すると、身の毛もよだつ話ですね。そう、天敵がいない月の環境ではクマムシが王様になるかもしれません。もし月の水分がある地点に微生物がいたとしたら、それを捕食してしまうことも考えられます。皆さんどうでしょうか、一転してクマムシが邪悪な侵略生物に思えてきませんか。ただ安心して下さい。月の表面には生物の存在に必要な環境はほとんどないと言われているので、さすがのクマムシも生存することは難しいという説が有力です。一件落着ですね。

ちなみに地球のDNAという意味では、実はアポロ計画で宇宙飛行士たちがすでに月の表面に100袋ほどの排泄物を残しています。その中に微生物が混じっていることも考えられますね。むしろ将来、初めて月を歩いた時に、それを踏んでしまったことを想像したら、一生立ち直ることはできませんね。

ただ、クマムシが繁殖しない確率もゼロではありません。将来に人類が月をまた歩くときに、独自の進化を遂げた巨大クマムシと出会うこともあるかもしれません。

もしあなたが月面に行った際には、クマムシにご注意を。

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