宇宙最強生物「クマムシ」NASAが片道切符で光速30%の恒星間飛行を計画中!?
皆さんは地球上で最強の生物は何だと思いますか?ライオンやサメ、はたまた人間などが思い付きますね。本記事では宇宙スケールで考えたときに最強の生態を誇る「クマムシ」を乗せた、NASAの片道宇宙飛行計画を解説していきます。
■実はクマムシは宇宙最強!?
クマムシは身長0.05~2mmの無脊椎動物の仲間です。
こんなに小さいクマムシですが、実は宇宙業界では最強生物として名を馳せています。その理由のひとつ目は、空気がない極限温度環境でも生きられることです。なんと、空気や水がないマイナス270度という超低温から150度という環境でも生きることができるんですね。湿った地面から水中、深海から高山まで多様な環境に生息しています。宇宙服もなしでなんてタフな生物なんでしょう。
続いては、クマムシは乾眠という代謝を1万分の1まで下げた状態になることができます。この状態では、水分消費量を通常の1%まで減らすことができるんです。ということは、長い宇宙空間での旅の間も生きるための物資がほとんど必要ないというメリットが挙げられますね。
極めつけは、X線致死線量は人間の約千倍で、DNAが損傷しても修復機能があるんです。そのため、人間のように放射船から宇宙船で身を守る必要はないんですね。非常にエコな生物です。いかがでしょう、どうやっても倒すことのできない最強の生物に思えてきたのではないでしょうか。
■NASAがそんなクマムシを使って恒星間飛行を計画!?
そして最近、NASAが「スターライトプロジェクト」を発表しました。なんと、手のひらサイズの薄い帆を持つ宇宙船を「光速の30%」まで加速させ、恒星間航行を行います。そんな危険な任務を誰が引き受けるのでしょうか?もちろん、パイロットはクマムシです。もし計画が実現すれば、クマムシは恒星間航行を最初に行った生物として歴史に刻まれることでしょう。
ちなみに、どうやって光速の30%まで加速させるのでしょうか。なんとNASAは、軽量の薄い帆を持つ宇宙船に、地球からレーザーをあて続けることを提案しています。
そして今回のスターライト計画では、目的地のプロキシマケンタウリの惑星に、光速の30%で突っ込むことになります。さすがのクマムシにとっても、超高速の30%で惑星の大気や地表に激突すれば、とどめを刺されてしまうかもしれません。しかし、もしクマムシが生きたまま漂着してしまうと、その天体の環境を汚染するリスクがあります。今回の宇宙飛行が超特急の片道衝突切符であるのは、天体の環境保護のためとのことです。
いつの日か、人類が恒星間を移動する時代がやってきたときに、このクマムシによる貴重な飛行データが大活躍することを祈るばかりですね。
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