【猫が11歳を過ぎたら知っておきたい】愛猫との「別れ」を穏やかに迎えるための心構え5つ。
愛猫との暮らしは、かけがえのない時間です。しかしどんなに愛しくても、いつか必ず別れの時が訪れます。
猫の平均寿命は16歳前後と言われていますが、11歳を超えると老化によるさまざまな変化が現れ始め、病気や体調不良のリスクも高まるもの。
そのため飼い主は愛猫との別れを、穏やかに最期の瞬間まで幸せに過ごすための準備をしておくのが好ましいのです。
そこで今回は猫が11歳を過ぎたら知っておきたい「穏やかな最期を迎るための心構え」5つを詳しくご紹介します。猫と暮らす人必見の内容です。
1.愛猫との「別れ」を穏やかに迎えるための心構え5つ
1‐1.猫は基本的に「人間よりも早く逝く」ことを忘れない
猫の長寿化が進み、現在の猫の寿命は約16歳(人間で言うと80歳くらい)になり、その間ずっと健康でいられるかは別として、飼い主が猫と過ごす時間が増える喜びは大きいものです。
しかしいくら長寿になったとはいえ、平均寿命が80歳以上の人間と比べたら猫の命は短いのが事実。つまり家族の末っ子だった猫が、あっという間に家族の年長者となって、いちばん最初に天国に逝ってしまうということです。
そのため飼い主は、猫を迎えたその日から「その猫の最期の瞬間を見守る」役目があるのを忘れてはいけません。
とくに11歳(人間年齢で還暦)になったら「シニア期」に突入し、愛猫の老いを感じてくるころです。いつ「最期の瞬間」が訪れてもおかしくない時期でもあるので、飼い主も愛猫の「最期」について真剣に考え始めましょう。
1‐2.猫の「最期が近いサイン」を見落とさない
個体差はありますが、猫は自分の死期を感じると特徴的な行動をとることがあります。
そのためもしそのような行動がみられたら、愛猫の「死期」を考えて悲観的にならず、その瞬間を迎えるまで猫に気を使った生活を送るようにしましょう。
猫の死期が近いサインには次のようなものがあります。
・食欲低下
食欲がなくなり、毛づくろいもしなくなることもあります。
・ほとんど寝てる
あまり動かず一日の大半以上を、眠って過ごすようになります。
・姿を消す
猫は弱っているのを悟ると、自分を外敵から守るために隠れる習性があります。安らかに過ごせるような、人目につかない場所を求めることが多いです。
・大きな声で鳴く
猫はもてる力を振り絞って、飼い主に呼びかけたりすることがあります。
・甘えん坊になる
死期を悟った猫は、飼い主に寄り添ったり甘えたりすることが多いです。愛情を伝えようとしているのかもしれません。
1‐3.治らない病気がみつかったときは家族で話し合いをしておく
猫も人と同じように、年をとるとさまざまな病気に罹患しやすくなります。そしてその中には、慢性腎臓病や猫エイズ、猫白血病ウイルスといった完治が望めない病気も存在します。
もし愛猫がそんな「治らない病気」に冒された際、飼い主はその現実を受け入れ、穏やかな最期を迎えるための話し合いを家族全員でしておく必要があります。
・治療はどこまで行うのか?
・入院することになっても、最後までできる治療を行うのか?
・治療ではなく、痛みを取り除く「緩和ケア」を行うのか?
・猫が痛みや苦しみでつらいときは「安楽死」を選択するのか?
・望む治療を行うための経済的余裕はあるのか?
など
以上のようなことを家族全員で話し合い、愛猫の最期について納得できている状態にしておくのが望ましいです。
とはいえ実際猫が天国に逝ってしまうと、多くの飼い主さんが「自分の選択が間違っていた?」「あのときこうしておけば良かった」など、自分を責めてしまうケースはよく見られます。
しかし最期の迎え方に正解はありません。むしろ猫の理解者である家族が、猫のことを考えて見出した答えこそが「正しかった判断」だとわたしは思います。
そのため「猫の最期」については、家族全員でしっかりと話し合ってもらいたいのです。
1‐4.「突然死」があることを念頭に日々接する
猫の「死」は何もゆったりやってくるだけではありません。突然死のリスクも、全ての猫に平等にあるものです。
※わたしの愛猫のうち1匹が12歳の時に突然死で亡くなりました。前触れは特になく、眠るような穏やかな死でした。
突然死とは外的要因(事故や中毒)以外の要因で、症状があらわれてから24時間以内もしくは瞬間的に死でしまうことです。猫の突然死の原因としては、心筋症(心臓の機能障害の原因となる心筋の病気)が半数を占めているといわれています。
猫の心筋症は初期症状がほとんど現れず飼い主が発見するのが困難なため、加齢とともにどんどん進行していき、突然死の原因となるケースも珍しくありません。
心筋症に限らず、老衰でもこれといった特徴的な症状が現れず亡くなることもあります。そのためシニア期の猫に「明日やろう」というのは、なるべく避けるようにしましょう。
今できること・やりたいことを、その日のうちに実行しておくことも大切です。
1‐5.「死の直前の行動」が見られたらなるべく長く一緒にいる
先に「死期が近いサイン」について解説しましたが、猫がもうすぐ天国にいくときにも、次のような特徴的な様子がみられることがあります(※個体差あり)。
・浅くて速い口呼吸をする
・心拍数が早くなったり遅くなったりする
・意識がなくなったり戻ったりと波がある
・失禁をする
・体温がさがる
など
以上のような様子がみられたら、もうすぐ愛猫が天国に旅立ってしまうサインかもしれません。なるべく愛猫から離れず、家族全員で見守るようにしてください。
猫が嫌がらなければ、撫でてあげたり抱っこしてあげたりして、最後に「飼い主のぬくもり」を感じさせてあげても良いでしょう。
2.猫が最期を迎えた後は?
猫が最期を迎えたら、飼い主は亡き骸をきれいにして葬儀・埋葬の準備を行います。悲しい瞬間ですが、いつまでも悲しんでばかりだと猫も浮かばれませんので、成仏してあげましょう。
自分の敷地内であれば亡き骸を埋めたり、火葬後の骨を散骨しても問題ありません。飼い主の納得する方法を選びましょう。
3.まとめ
愛猫は家族の一員であり、長い間一緒に暮らすパートナーです。しかし、いつかは必ずやってくる「別れ」の瞬間。とくに愛猫が11歳を超えたら、飼い主は「最期」について考えなければいけません。
愛猫との時間を大切にしながら、残された時間を共に充実させていくために、今回紹介した5つの心構えを参考にしてみてください。