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最も僅差でクライマックス・シリーズ進出を逃したのは…。今年のパは混戦、セはすでに進出3球団が確定!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
シーズン再開は8月13日(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

 クライマックス・シリーズに進出できるかどうかの「分かれ目」は、3位と4位の間にある。昨シーズンは例外。パ・リーグは上位2球団による1ステージのみ。1位の福岡ソフトバンク・ホークスが2位の千葉ロッテ・マリーンズを下した。セ・リーグはクライマックス・シリーズを開催せず、1位の読売ジャイアンツがそのまま日本シリーズへ進んだ。

 これまで、その「分かれ目」のすぐ下に位置した球団は以下のとおり。昨シーズンのパ・リーグは3位、それ以外は4位の球団だ。

筆者作成
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 パ・リーグの場合、「分かれ目」のすぐ下に位置した14球団中6球団が、すぐ上の球団と1.5ゲーム差以内の一方で、7.5ゲーム差以上も5球団を数える。僅差と大差のどちらも多い。なかでも、最も僅差だったのは、10年前のオリックス・バファローズだ。3位の埼玉西武ライオンズとのゲーム差はなし。オリックスの69勝は埼玉西武より1勝多かったが、68敗も1敗多く、勝率の差で4位となった。埼玉西武の勝率.503703704に対し、オリックスの勝率は.503649635だ。両チームの順位は、最終戦で決まった。どちらも10月18日にホームで144試合目を行い、埼玉西武が北海道日本ハム・ファイターズを下し、オリックスは福岡ソフトバンクに敗れた。埼玉西武の試合の結果にかかわらず、オリックスは勝つか引き分ければ3位だった。

 セ・リーグは、パ・リーグと対照的。3位と1.5ゲーム差以内が3球団、7ゲーム差以上は皆無だ。0.5ゲーム差~6.5ゲーム差の間に、どの球団も位置する。

 ただ、今シーズンは両リーグとも、現時点においては、これまでの傾向と異なる様相を呈している。パ・リーグは、北海道日本ハムを除く5球団による混戦。5位の埼玉西武にしても、首位のオリックスとの差は6.5ゲームだ。セ・リーグは、3位の東京ヤクルト・スワローズと4位の中日ドラゴンズが、10ゲームも離れている。クライマックス・シリーズに進出できるかどうかの「分かれ目」の下に位置するセ・リーグの3球団が、ここからその上へいくのは、不可能ではないとはいえ、かなり難しい。勝ち進むだけでなく、上にいる球団が落ちてこないと、入れ替えはまず起こらない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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