解雇されたサイ・ヤング賞投手は、受賞当時のコーチがいる球団で復活をめざすが…
5月30日にシカゴ・ホワイトソックスから解雇されたダラス・カイクルが、アリゾナ・ダイヤモンドバックスとマイナーリーグ契約を交わした。いくつかの報道が出た後、MLB.comのスティーブ・ギルバートが、マイク・ヘイゼンGMに確認したと報じている。解雇される前の経緯とカイクルのキャリアについては、「もうすぐ解雇されるサイ・ヤング賞投手は、新天地を見つけることができるのか」で書いた。
ダイヤモンドバックスのブレント・ストローム投手コーチは、2014年から2021年まで、ヒューストン・アストロズで投手コーチを務めていた。カイクルは、2012年のメジャーデビューから2018年まで、アストロズで投げ、2015年にサイ・ヤング賞を受賞した。
ストロームの存在が、球団を選ぶ決め手になった可能性は低くない。マイナーリーグ契約なので、まずはAAAで投げることになりそうだが、カイクルは、何らかの方法でストロームからアドバイスを受けると思われる。
カイクルとしては、AAAで数試合に登板後、メジャーリーグに昇格するのがベストのシナリオだろう。けれども、そうなるとは限らない。ダイヤモンドバックスには、先発10登板以上で防御率4.20未満の投手が4人揃っている。ローテーションの空きは、1枠しかない。
すぐに結果が出ず、昇格できなくても、ストロームのアドバイスによって、復調のきっかけ、あるいはヒントを掴めれば、ダイヤモンドバックスに入団したことは無駄にはならない――。もしかすると、カイクル(と代理人のスコット・ボラス)はそう考えているのかもしれない。
ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールによると、どこかの時点までに昇格できない場合は、カイクルのほうから契約を打ち切り、FAになることができるという。ダイヤモンドバックスとの契約が明らかになる前に、MLBネットワークのジョン・ヘイマンは、いくつかの球団がカイクルに興味を示している、と報じていた。