【猛暑到来】ペットのサマーカットにご用心?
短い梅雨が終わり、日中は晴れ間が広がり、猛暑日(最高気温35度以上)となったいるところも多いです。
6月に、市川市動植物園(千葉県市川市)で涼しげに毛刈りが行われたアルパカの姿が「かわいい」と話題になっています。同園がTwitterで公開されている毛刈りされたアルパカの写真に人気が集まっています。
アルパカは南米のアンデス山脈の高所に生息する動物のため、日本の暑さに弱く、夏場に入る前に毛刈りをしないと熱中症にかかってしまうリスクがあるので、年に1回、毛刈りをすることにしているそうです。
猛暑が続くと、このアルパカのように犬猫をサマーカットしてみようと思っていませんか。今日は、犬猫の毛を刈ることについての注意点をお話しします。
毛刈りの利点とは?
市川市動植物園のTwitterより (許可を得ています)
日本には、アルパカのように寒い地域に住んでいる動物もいます。たとえば、猫ならノルウェージャンフェレストキャトはノルウェー、セントバーナードは、スイスのアルプスの山が原産地です。
そんな寒冷地原産の子は、厚い被毛で覆われているので分厚いいセーターを着ているようなものなので、毛刈りをすることで、そのセーターを脱がすような作用があります。
そういう子なら、猛暑が続くと犬や猫の毛刈りをすればいいのではないの?ということです。しかし、そう単純なことではないのです。
毛刈りのリスク
犬や猫の被毛を薄くすることは、熱中症対策のひとつとしてはいいのですが、リスクもあるのです。
それは、日光に含まれている紫外線です。過度に紫外線を浴びると以下のような病気になる可能性もあります。
日光過敏症とは?
日光に含まれる紫外線で、皮膚が赤く炎症して、脱毛してしまう病気です。
犬よりも外にいる猫に発症することが多いです。犬にもまれに発症することがあり、ダルメシアンやホワイトブルテリアなどの白い短毛の犬種が発症しやすいとされています。
とくにマズルの長い犬種が発症する傾向にあり、鼻に発症した場合をコリーノーズと呼ぶことがあります。
日光過敏症を放っておくと「扁平上皮がん」になる?
顔の毛の薄い目の上や耳などが長い間、赤くなりなり、抗生物質やステロイド剤の薬では治らず、じゅくじゅくした状態が続くようでしたら、それは日光過敏症ではなく「扁平上皮がん」かもしれません。
扁平上皮がんの原因のひとつは、紫外線です。
この扁平上皮がんは、野良猫の毛色の白い子、または白い毛の部分を持っている子(三毛猫とか)がなりやすいです。
扁平上皮がんは、初期のうちに外科で取ると寛解しますが、広範囲になるとなかなか寛解しないがんです。
まとめ
市川市動植物園のTwitterより (許可を得ています)
猛暑が続くと、犬や猫の毛刈りをしようと考えている飼い主さんもいると思いますが、紫外線の問題があることを理解してくださいね。
UVカットの効果のある服を着せることなどが必要なときもあります。
日光を避ければお散歩にも行くことができますし、太陽が昇る前・沈んだ後にお出かけするようにしましょう。
シニアの子は、あまり短く切りすぎと、冬になっても被毛が生えてこない場合もありますので、注意してください。
上のTwitterの動画の市川市動植物園のアルパカは、紫外線対策もちゃんとされて、そのうえ、扇風機をかけてもらっています。
この夏は、暑い日が続くように予測されていますが、毛刈りのメリットとデメリットを理解した上でやってあげてください。