「教育」に託す未来
==夕張市の現在==
先日、日経新聞で夕張市の記事を拝見しました。
主な内容は以下のものでした。
・夕張市が財政破綻してから10年
・353億円あった負債は255億円に縮小、今後10年は緊縮財政
・人口は32%減少、市内唯一の高校夕張高校の存続も危ぶまれる
夕張高校は
破綻状態前の2005年には生徒が219人だったそうですが、
2016年度は91人。半分以下になってしまったそうです。
今春に夕張中学校を卒業した36人中夕張高校に進学したのは19人、
半分は他の高校等に進んでしまったそうです。
既に小中学校は各1校に統合されており、
高校が廃止に傾けばますます人口維持に悪影響があります。
2100年の日本の人口
この記事を読んでいて考えました。
「夕張市の状況は日本の縮図」
夕張市は日本全国の中でもかなり難しい状況ではありますが、
日本全国で同様の声が聞こえます。
講演活動で全国に行けば
「街から子どもが消えた。。」という嘆きの声を聞くことは少なくありません。
日本の人口は現在約1億2千万人です。
これから人口減に向かっていくことはご存知の通りですが、
いったい将来の日本はどのくらいの人口になるのでしょうか。
政府からは「1億人を維持!」という掛け声も聞こえます。
国立社会保障・人口問題研究所に
2100年の人口予測があります。
2100年の日本の人口:4,959万人
このような数字になっています。
想像していたより少なくないでしょうか?
1億人は夢のまた夢。現在より6割も人口が減るのです。
2100年と言えば、今から84年後。
今日生まれた赤ちゃんは生きている方も結構いると思います。
その84年後の未来は、街を歩いている人の数は半分以下。
高齢化も進むので、見た目には今の3割くらいになっているかもしれません。
車の数もそれに比例して減ることになります。
「渋滞」なんて死語になるのかもしれません。
ちなみにこの予測は中位推計です。
つまり真ん中辺の予測なのです。
日本の人口はここのところ中位推計を下回ってきましたので、
この4,959万人すら「楽観的な予測」なのかもしれません。
(ちなみに最も下位の予測では3,700万人です)
「財政が破綻し、人口が減少し、学校がなくなる、結果また人口が減る」
これが夕張市はじめ日本中が直面しているリスクです。
教育に託す地域再生
件の日経新聞の記事の見出しは
「教育に託す地域再生」でした。
そうです、夕張市でも高校の魅力化のために教師・市長一丸となっています。
先生方は生徒の放課後の学習指導を交代で実施しているそうです。
市長も「高校と連携して市の魅力向上に取り組みたい」とコメントしています。
夕張市周辺の旧産炭地と呼ばれる6市町も同様に
「子育て世代を増やすために、教育環境の充実が第一」と取り組んでいるそうです。
危機に立った自治体がようやく気づく
「教育投資の重要性」
逆に言えば、危機になるまで気づきにくいが故に
放置されがちな社会課題であります。
しかしながら
未来を作るのは子どもたちであり、
その希望を託すのは「教育」に他なりません。
日本全国の未来のために、
教育投資に多くの自治体が、そして国が、踏み出してくれることを望んでいます。