【その態度損しています】医者・看護師・医療スタッフに嫌われる患者の特徴
ちょっとした風邪に始まり、大きな病気、突然の怪我…
日常の中で病院にかかることは少なくないはず…。
数々の病院がある中で、さまざまな診療科を開設しているのはもちろん、医療スタッフの対応なども病院選びの決め手になるでしょう。
医療技術の質はもちろん、最近は接遇面も医療現場では重要視されています。
しかし、医師や医療スタッフだって人間です。
患者さんの態度によっては「そりゃ、ないよー!」と思うことだって少なからずあります。
今回は「医師をはじめとした医療スタッフに嫌われる患者さんの特徴」について紹介します。
医療スタッフに嫌われてしまったら…、どちらかというと患者さんにとってはデメリットしかないはず…
嫌われる患者さんは医療スタッフからどのように見られていて、どのような結果につながるか…の一部をそっとご紹介します。
待ち時間にイライラ!怒鳴り散らす患者さん
受診する診療科や病院の規模によっては、想定以上に待ち時間が生じることも少なくありません。
医師をはじめとした医療スタッフは、もちろん患者さんを非常にお待たせしていると十分に自覚しています。
その中でもできるだけ早く診療を進めていこうと全員で心がけてはいるのですが、どうしても思うように診療が進まないこともあります。
・患者さんの検査結果が芳しくなく、その場で泣き出してしまう
・疑問や質問などが多くあり、想定以上に時間がかかってしまう
・病状の理解が追いつかず、診察がなかなか進まない
・想定以上に検査をする必要があり、予想以上に時間が押してしまう
など、病院でイレギュラーな診療になるのは日常茶飯時です。
もちろんたった数人なら、時間が大きく押すまで影響を及ぼすことではありません。
しかし、珍しい出来事ではないので、このような患者さんが何人もいらっしゃった場合は、結果として非常に待ち時間が長くなってしまうこともあるのです。
そうなってしまうと患者さんもイライラ。(医療スタッフの一員として非常に申し訳ないという思いは常に持っています)
外来の待合室では殺伐とした空気感が漂う…。
もちろん、スタッフだって感じています。
しかし、思ったようにうまく進まず、焦りを感じているのはスタッフだって同じです。
そんな中で、時に「いつまで待たせるんだ!!ここのスタッフはポンコツなのか!!」と怒り出してしまう患者さん。
あくまでも私の外来診療での経験上ですが年間数人はいらっしゃいます。
(ちなみに他の病院で勤務している外来看護師にも確認すると、絶対に怒り出す患者さんはいるそうです。医療の現場では少なからずあるのでしょう)
このような患者さんに対しては、現状の順番をお伝えし、予測できる待ち時間をお伝えしながらフォローアップしています。
しかし、それでもイライラが収まりきらず怒鳴り散らす方もいらっしゃいます。
どうしようもなくなった時は順番を飛ばして先に診察をするという医師もいますが、中には怒って周りに迷惑をかける患者さんをそのままにしておけないので、お断りするようにと指示を出す医師もいます。
仮に怒鳴り散らして先に順番が回ってきたとしても、医師だって不快感を感じる患者さんに対して心情的には真摯な対応を取るのも難しいですよね。(もちろん態度には出さないでしょうが…)
また、クレーマー気質の患者さんは電子カルテにしっかりと記録されます。
その場かぎりで終わるのではなく、施設内の医療スタッフ全員に周知されてしまいます。
その後の受診の際にも腫れ物扱いをされたり、入院になったり検査室などに移動しても「この患者さんは待たせると怒るんだ」という認識で対応されてしまいます。
本来であればきちんとした説明や患者さんの苦痛や痛みなどに配慮した十分な声かけ、観察などがあるはず。
けれども、クレーマー気質の患者さんに対しては「さっさと終わらせよう」と思われてしまうのケースだって十分にあり得るのです。
結果として、医療スタッフの十分なケアを享受する機会を逃してしまいかねません。
血液検査の採血や検査で脅かす患者さん
病院で行われる各種検査。 針を刺して血液を採取したり造影剤を注入して画像診断をしたりと、苦痛を伴う検査は少なくないですよね。
採血などをする際に、中には「絶対に外すなよ!」「失敗するなよ!」と脅かす患者さんがいます。
もちろん医療スタッフの技術による成功率への影響は少なからずあります。
しかし、患者さんから脅されると、普段テクニカルで上手なスタッフでも精神的なプレッシャーで思わぬ失敗につながることもあるのです。
針仕事は非常に繊細な作業。技術だけではなく体調やメンタルだって大きく影響します。
私自身の経験談ですが、過去外来の検査室で勤務していた時、1日の中で数百人ペースでの採血業務がありました。
「今日は調子がいいな」という日は、1人も外さないで採血業務を終えられたという日もあります。
逆に「今日はなんだか調子が悪いな」という日は、失敗してしまうこともありました。
患者さんに脅されると、看護師の調子がくるってしまうことだってあり得ます。
結果として検査の時に脅かす患者さんは、必要以上に損をするリスクを自分であげているということになるのです。
ちなみにですが、1回採血してみたものの、うまく取れなくて怒り狂う患者さんがいた時のお話。
実は脅かす患者さん、少なくないのですがどのような対応をするのかというと…
基本的には、まず検査の指示を出した医師に連絡をします。
「患者さん、怒ってしまって採血ができません」
その時の医師の対応は??
・「わかった僕(担当医師)が取るよ」→先生も失敗→なぜか患者さんは何も言わない→スタッフに「医師の前では態度が変わる患者さん」と認識されますますます嫌われる
・「じゃあいいよ。もうしなくて」と検査を取り下げられる→つまり自分の今の状態がわからない→健康に悪影響が出るかもしれないけれども自分のせい
となってしまうのです。
検査に対して非協力的な患者さんは、いずれにしても損をする可能性があると言えそうですね。
医師にだけ態度の違う患者さん
医師にだけ態度の違う患者さんは少なくありません。
もちろん、自分の状態を直接的に治療してくれるのですから、医師に対して尊敬の態度を持つのはいいことだと思います。
しかし、医師以外のスタッフに対しては非常に横柄な態度を取る患者さんもいるのです。
医療スタッフを召使いか何かだと感じているのでしょうか…。
医師にだけペコペコしている様子は、医療スタッフの目から見て非常に不愉快なものです。
実は、医師にだけペコペコをしていればいいと思っていたら大間違い。
医療スタッフからの評判は医師の耳にだって筒抜けです。
医師だって、1人の患者さんよりも自分の仕事をチームでサポートしてくれる医療スタッフを大事にするのが当たり前。
ですので自分のチームに対して不謙遜な態度を取る患者さんに対しては、少なくともいい印象を持たないはず。
しかも最終的に医療スタッフが音を上げてしまえば、その尻拭いをするのは指示を出す医師本人なのです。
結果として医療スタッフからの評判が悪く対応できないとなれば、医師だって十分なケアや治療の指示を出せなくなってしまいます。
医師にだけペコペコして、医療スタッフに対する態度があまりにもひどい場合…。
本来なら受けられるはずのケアや治療が、通常よりも手数が少なくなってしまったり、簡易的なものに変更される可能性だって「0」ではありません。
内容によってはキャンセルされることも…。
医師だけではなく「医療はチームで動いている」というのを知ってほしいです。
そしてその医療チームに参画しているのは、患者さん自身も含まれていると考えてみませんか?
治療の中核を担っている患者さんが、チームの輪を乱していては、思うように治療が進まないのは当たり前。
チームを上手に活用することを考えると、医師だけではなく医療スタッフとのコミュニケーションや良い関係づくりにも意識を向けてみませんか?
まとめ「医療スタッフも人間。関係性により医療の質に影響が出る可能性を視野に入れて」
これまでに紹介してきた患者さん。一言でまとめると「ものすごく自分本位」なのです。
「病気や怪我が治らないかもしれない…」
「体が思うように動かない」
など、患者さんが不安や苦痛を抱えているのは医療スタッフも十分承知しています。
だからといって、医療スタッフに当たり散らしたり怒ったりして解決するものではありません。
むしろ医療スタッフからは距離を置かれてしまい、ますます自分の体に対する観察やケアの目が行き届かなくなってしまうことになるかも…。
医師にだけいい態度をしていればいいわけではありません。
医師は治療を施したりケアの指示を出しますが、実際にケアを提供したり検査を実施するのは医療スタッフです。
スタッフの評判が悪くなってしまえば、知らぬ間に損をしてしまうこともあります。
病院での自己中心的な態度は、患者さんにとってデメリットの方が多いはずです。
患者さん自身も「チームの一員」として、医療スタッフや医師とともに病気や怪我に立ち向かう心強い仲間であると考えてみませんか?