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注目度が高まる愛子さま 「この1カ月の装い」から探る魅力とは?

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
日本赤十字社に初出勤された愛子さま(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

先月20日に学習院大学を卒業されてから、愛子さまのお姿を拝見する機会が増えている。

どこかへお出ましになれば、その日のニュースは一日中、愛子さまの一挙一動を詳しく報じるようになった。まさに愛子さまは、今や国民のだれもが熱い視線を向ける注目の“時の人”なのだ。

それにしても、なぜ愛子さまは多くの国民を魅了してやまないのか。

社会人となって約1カ月、愛子さまが身にまとわれるエレガントなオーラの源泉とは何なのだろうか。

◆卒業式で見た“大和なでしこ”の装い

愛子さまは学習院大学の卒業式の日、桜色の振り袖に袴姿だった。可愛らしさの中に落ち着きがある清楚な純和風の装いが、愛子さまのおしとやかな個性と相まって、これぞまさに“本物の大和なでしこ”と感じた方も多かったのではないだろうか。

古くから控えめでかわいい女性や、愛してやまない女性のことを短歌に詠む際、小さくてかわいいナデシコの花になぞらえていたという。

愛子さまも学ばれた「万葉集」や「古今和歌集」などにも、「なでしこ」を詠んだ恋の歌が少なくない。

振り袖と袴が女子大生の卒業式の定番とはいえ、天皇陛下の妹である黒田清子さんは、同じ学習院大学を卒業する際はスーツを着ていた。秋篠宮家の小室眞子さんと佳子さまは、母校であるICUの決まりがあったのだろう、黒いガウンのいわゆるアカデミック・ドレスであった。

だからなのか、愛子さまの装いはとても新鮮で、万葉集の中から浮かび上がってきたような、「和の心」が感じ取れた。

そこには古典文学を学ばれた、愛子さまの矜持がにじみ出ていたように感じる。

◆伊勢神宮では純白のロングドレス

卒業式から6日後には、愛子さまは皇室の祖先とされる、天照大神を祀る伊勢神宮をご参拝。大学の卒業と就職を報告し、純白のロングドレスを身にまとい、しずしずと玉砂利の参道を歩いていらっしゃった。

愛子さまは柔らかな笑みをたたえ、ずらりと整列する関係者や地元の子供たちにも会釈をしながら、歩かれるその姿は光を反射してまばゆいばかりの輝きを放っていたように思う。それはまさに「皇室の品位」を具現化したようなお姿であった。

奇しくも、その日は曇天の雨模様であったが、愛子さまのご到着とともに空は晴れ上がり、純白のドレスも映えよとばかりに、太陽が顔を出したというのだ。

参拝時には小雨が降り出したようだが、そのことに気づかないほど、歩みを進める愛子さまのドレス姿は、圧倒的な美しさに満ちていた。

振り袖と袴姿から一転した純白のロングドレスは、そのギャップを感じさせず、どちらも愛子さまの個性を浮かび上がらせていたのではないだろうか。

◆社会人初日のファッション

4月1日、愛子さまが初めて日本赤十字社に出勤された日には、世の中の多くの新入社員たちと変わらぬ、紺のスーツに白いシャツ姿であった。

その時の愛子さまは就職したばかりの「等身大の新卒女性」であり、日本赤十字社の一社員であることを意識されていたのだろう。

「和の心」「皇室の品位」そして「等身大の新卒女性」と、愛子さまの装いは変化を見せてきたが、しかし、その度に愛子さまの新たな個性を引き出し、一層魅力的な女性像として鮮やかな印象を私たち国民に与えてくれた。

さらにその10日後、愛子さまは明治神宮を参拝された。オフホワイトのロングドレス姿で溌剌と登場された瞬間、一目見ようと集まっていた人々から静かな歓声が湧き上がったのである。

ある時には伝統的な価値観を体現し、ある時には皇室の慣習に従い、さらに22歳の若い現代女性としての日常も大切にしていらっしゃる愛子さま。

そのいずれも、愛子さまは自らのあるべき姿として受け入れ、素直に責務を果たそうとされている心がいじらしく、それが多くの国民を魅了しているのだろう。

今度はどんなお姿で私たちの前に現れるのだろうかと、愛子さまがお出ましになる度に、ワクワクしてくる。

4月23日、春の園遊会にデビューされる愛子さまは、どんな装いを見せてくれるのだろう。

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放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)がある。

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