【獣医師が警鐘】エアコンをつけて外出したのにペットが熱中症に?
最高気温が30度を超えることが多くなっています。
犬や猫が熱中症にならないように気をつける必要がある時期になりました。仕事で留守の多い人は、エアコンをつけてさえいれば大丈夫だと思っていませんか。実は、エアコンをつけていても犬や猫が熱中症になることがあるのです。
人感センサーという落とし穴
猫の飼い主のBさんが「エアコンをつけて外出したのに、帰宅したら部屋が暑くってびっくりしました。人感センサーを切るのを忘れていたのです」と言っていました。
エアコンの機能のひとつとして、人感センサーというものがあります。それが、犬や猫がいても誰もいないと察知してエアコンが上手く作動しないことがあるのです。
人感センサーとは?
エアコンの人感センサーは赤外線で人を察知するだけではなく、温度測定機能がついているため、節電につながります。それは、電気代が高騰しているので、助かる機能です。
しかし、ペットや子どもがいるご家庭の場合には、この人感センサーの機能がデメリットになる場合があるのです。それは、人感センサーは大人の胸部あたりの動きを察知するようになっているからです。
子どもやペットに部屋で留守番をさせ、エアコンをつけっぱなしにして外出をする方も多いと思いますが、その場合は人感センサーをオフにしておかないと、節電のためエアコンが停止してしまう恐れがあります。
特にペットの動きには反応しにくいため、留守番をさせて外出する機会の多い方は、熱中症対策のひとつとして、人感センサーのオフを徹底するようにしましょう。
ペットのためのエアコンの温度管理
エアコンをつけていても、犬や猫は、熱中症になることもあります。人感センサーをオフにすることは、もちろんですが、以下の子は、特に気をつけてあげてください。
・高齢の子
犬や猫は、1年で約6歳年老いてくといわれているので、去年、大丈夫でも今年は、熱中症になる子がいます。
・心臓疾患のある子
心臓疾患を持っている子は、持っていない子に比べて熱中症になる確率が高くなります。
・肥満の子
肥満の子も熱中症になりやすいです。
・短頭種の子(パグ、フレンチブルドッグ、ブルドッグなど)
気道が狭く、熱い外気を体内に取り込みやすいため熱中症になりやすいです。
・寒冷地産の子(シベリアンハスキー、グレートピレニーズ、セントバーナードなど)
被毛が、厚いので毛布を着ているような状態なので、熱中症になりやすいです。
飼い主の感覚で、温度管理するのではなく、その子にあった温度にしましょう。犬や猫は、人間のように汗はかくことがほとんどできない(肉球から汗は出ます)ので、温度管理は大切です。
寒冷地産の犬を飼っている場合は、飼い主が寒いぐらいの温度設定にしておかないと熱中症になることもあります。
留守にするときは、ペット用のカメラを設置して、暑がっていないか以下のことをチェックすることも大切です。
・パンティングと呼ばれる「ハァハァ」とした口呼吸をしていないか。
・激しくハァハァと呼吸をしていないか。
・舌や口の中がいつもより赤くないか。
・ヨダレが多くないか。
・ぐったりして動こうとしないか。
・落ち着きがないか。
・フラフラしていないか。
まずはこれらの症状が出ていないかを確認しましょう。症状がみられる場合は、熱中症の危険があるためすぐに対処する必要があります。軽度の熱中症の場合は、体を冷やして、念のため獣医師に診てもらうようにしましょう。
犬や猫は、自分でエアコンをつけることができないので、飼い主は、このような知識を持って、熱中症にならないよう注意をしてあげてください。