【ゴルフ】飛距離とフェアウェイキープ プロとアマチュアで優先するべきものは異なる
ドライバーの飛距離はあれば有利だがリスクをともなう
ピンまでの残り距離が短くなるため、より短いクラブを2打目以降使えるという点で、飛距離はある方が有利だ。しかし、方向が左右にブレる度合いが高まりやすい。インパクトでのフェースの向きのズレが同じでも、飛距離が出る方が左右のブレが大きくなる。また、飛距離を出そうとすると、スイングバランスを崩しやすくもなる。
フェアウェイキープを優先すると、良いライから次のショットを打てる。しかし、スイングスピードを落とすことになりやすくなるため、飛距離をロスしやすくなる。また、確実にフェアウェイキープできたとしても、2打目以降で距離が残りやすくなり、長いクラブを使わざるをえなくなりやすいため、難しいショットを強いられやすい。
プロは飛距離を優先か
下記表は2019年度の男女日本ツアーのドライビングディスタンス上位者とフェアウェイキープ率上位者の平均ストロークと獲得賞金の平均だ。フェアウェイキープ率が高い選手よりも、飛距離が出る選手の方が平均ストロークも獲得賞金も高いことがわかる。
例えばドライビングディスタンスが20ヤード違うとする。20ヤードというと2番手分の距離。そして、それだけ飛距離が違うと、同じ距離でも1番手違うと考えられる。
つまり20ヤードの差はパー4の場合、第2打は3つ番手が違うということになり、ピッチングウェッジVS7番アイアン、などということになる。フェアウェイからの方が打ちやすいとはいえ、3番手違うとなると、フェアウェイからの7番アイアンよりもラフからのピッチングウェッジの方が有利な場合は多い。
一般ゴルファーはフェアウェイキープを優先するべき
「方向のずれに関する米ツアーの平均精度は約3.4度。平均スコア90プレーヤーの精度は約6.5度。ツアー選手の約2倍、ティーショットがターゲット方向から外れる」という研究結果が発表されている。
例えば、ツアー選手が300ヤード飛ばしたショットをターゲットから3.4度外したとすると、約17ヤード外れることになる。これは大きな問題になりにくい。
一方、アマチュアが200ヤード飛ばしたショットをターゲットから6.5度外すと、約23ヤード外れることになる。飛距離を伸ばして250ヤード飛ばした場合だと、約28ヤード外れてしまう計算だ。これは問題になりやすい。
ツアー選手の精度であれば、飛距離が出ても大きな問題にはなりにくいが、平均スコア90プレーヤーの精度の場合、飛距離が出ると、成績が悪化しやすくなるのだ。
スコアアップを望む一般のゴルファーには、方向の精度を向上させてから、飛距離アップに取り組むことを推奨したい。
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