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バット・フリップはもう古い!? ホームランを打ったら、そのバットはどうすべきなのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)Oct 29, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールドシリーズの第6戦、5回表に勝ち越しとなるホームランを打ったホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)は、バットを持ったまま、一塁の手前まで走った。

 この試合で、バットを放り投げる「バット・フリップ」ならぬ「バット・キャリー」を演じたのは、ソトだけではなかった。1回裏には、アレックス・ブレグマン(ヒューストン・アストロズ)がそうした。

 これから「バット・キャリー」が新たな流行となるのかどうかは、まだわからない。「バット・キャリー」という呼び方も、筆者がそう名づけたに過ぎない。ブレグマンもソトも、このシリーズのホームランは3本目だ。彼らが第5戦までに打った計4本のホームランのなかに、一塁近くまでの「バット・キャリー」は――ソトは途中までバットを持って走っているものの――なかった。ブレグマンの意図は不明ながら、ソトはブレグマンに触発されたか、あるいはお返しということも考えられる。

 また、第6戦は、2人の他に、アダム・イートン(ナショナルズ)とアンソニー・レンドーン(ナショナルズ)がホームランを打ったが、どちらもバットを持ち運びはしなかった。イートンの一打はブレグマンとソトの間で、より正確に言うなら、ソトの2人前。レンドーンはソトの2イニング後だった。

 なお、ブレグマンとソトの「バット・キャリー」は、最後が少し違った。ブレグマンは一塁コーチに手渡そうとしたが、うまくいかず、バットは一塁を少し回ったところ、フェア・グラウンドに落ちた。一方、ソトも一塁コーチに渡すつもりだったのかもしれないが、一塁に達する前に手放したバットは、一塁コーチとの間、ファウル・グラウンドに落下した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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