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「喋れるが書けない社会人たち」に足りない3つの力 ~AI時代の勉強法(8000字)

横山信弘経営コラムニスト
(提供:shutterstock)

社会人の勉強法について、質問されることが多くなった。その大半が、

「何を勉強したらいいか?」

である。

2~3年前までは、相手に合わせて何を勉強したらいいか私なりのアドバイスをしてきた。しかし今は違う。

どんなに「何を勉強すべきか」を知って、実際にそのことについて勉強したとしても、キチンと身につかないからだ。

勉強法に問題があるからである。

大学も行っていない私が、18年近くミドルマネジャーに、研修などを通じて教えてきて、ここ数年の大きな変化に気づいている。

それは、

「喋れるが書けない社会人たち」

が急増していることだ。

勉強していない人ほど、この傾向が強い。

なぜ、そうなるのか?

言語力が低いからだ。

言語力が低くても「喋る」ことはできる。しかし「書く」ことができない。

(※話すではなく「喋る」)

なぜ、言語力が低くなるのか? 理由は認識力が低いからだ。

それでは、なぜ認識力が低くなるのか、というと、集中力が足りないからである。

言語力はともかく、もともと集中力、認識力は誰もが高かったはずだ。なのに、社会に出てから、ほとんどの人が勉強をしていない。

10年も20年も……。ひどい人は30年以上も、継続的に勉強をしていないのだ。やったとしても、資格試験の合格をめざしたときぐらいであろう。

そこで今回は、AI時代に不可欠な社会人の勉強法として、

・基礎集中力

・基礎認識力

・基礎言語力

の重要性や、それらを鍛えるためのやり方を紹介する。

このやり方を実践することで、何を勉強しようが、身につくスピードは格段にはやくなる。

勉強をし続けないと認知力が落ちる。仕事のみならず、老後の生活にも支障をきたすことになる。それはもう、間違いない。

とくに40~50代の会社員には、ぜひ最後まで読んでもらいたい。

■勉強しなければ、ホワイトカラーに明日はない

新入社員の頃ならともかく、社会人になってから10年、20年も経つと、なかなか本格的な勉強をしなくなる。

しかし、これだけ急激に時代が変化すると、そうは言ってられない。次のニュースを確認してほしい。

・富士通、希望退職に3031人応募 国内で3000人以上の実施は6年ぶり(2021年4月 50歳以上が対象)

・大和ハウス、早期退職制度の対象年齢を45歳に拡大(2021年8月 45歳以上が対象)

・ワコール、250人の早期退職を募集(2022年11月 45歳以上が対象)

・シャープ、早期退職制度を導入 700人が対象(2023年5月 55歳以上が対象)

このようなニュースは、挙げはじめたらキリがない。業績が落ちたわけでもないのに、45~55歳以上を対象とした「黒字リストラ」は、コロナ前からもずっと後を絶たない。

今後も成長を期待できる業界の職人的エンジニアならともかく、とくにホワイトカラー層は厳しい。AIがこのまま進化していけば、デスクワークの多くは置換されるだろう。

AIは新しい仕事を創出するとも言われている。したがって、効果効率的に勉強できる方法さえ知っておけば、悩む必要はない。何歳からでもチャレンジはできる。しかしそれを怠れば、本当にやれる仕事がなくなっていくだろう。

それでは、その方法とはどういうものか?

■多くの社会人が間違った勉強方法をしている

まず、その方法を語る前に、社会人の間違った勉強方法を解説しよう。

社会人が勉強する機会、場といったらどこだろうか? 多くのケースで「研修」ではないか。書籍や教材を利用することもあるが、本格的に勉強するのであれば、研修が主体になることが大半だ。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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