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年金451か月加入しても暮らせない現実!繰り上げ受給の損益分岐点は驚きの81歳

栗栖成之防災士×探偵ライター
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年金についてさまざまな情報がネット上に溢れていますが、今回は筆者のリアルな年金情報をお伝えしましょう。

最近では、年金受給を75歳まで繰り下げるとお得になるとか。ところが、筆者のような状況にある方は、繰り上げ受給のほうがお得になるのです。

そこで我が身で体験している、脚色一切なしのリアルガチな情報をお届けしましょう。これから年金受給を迎える方は、ぜひ参考にしてください。

18歳から厚生年金382か月・国民年金69か月:合計451か月年金に加入

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筆者は18歳から国鉄に入社しその後民間企業に転職しましたが、厚生年金に382か月(約31年8か月)加入しています。

国鉄からJRへ移行しその後退職、そして民間企業へ転職するまでに都合により52か月国民年金に未加入の時期がありました。

しかしその後、再度厚生年金に加入し60歳まで次のように、451か月加入しています。

ここでは、情報の信頼性を高めるために「ねんきんネット」から『被保険者記録照会回答票』を取り寄せました。

筆者作成
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この記録を見れば、年金の加入月が以下の月数であることが分かります。

  • 厚生年金:382か月
  • 国民年金:69か月
  • 合計加入月:451か月

年金加入は最長480か月(40年)なので、451か月は最長にほぼ近い加入月といえます

60歳で繰り上げ支給を申請!損益分岐点は81歳、生きている?

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現行では65歳から年金を受給できますが、70歳から受給を促すアナウンスもされています。

しかし筆者は、65歳を待たず60歳からの繰り上げ受給を希望し申請しました。

その理由は、繰り上げ受給で減額された年金額が、65歳からもらえる減額なしの年金に追いつくときは81歳なのです。

ちょっと分かりづらいので、簡単に説明すると次のようになります。

  • 60歳で繰り上げ受給すると23.6%の減額になる
  • 繰り上げしない場合との受給額の逆転は81歳
  • つまり81歳までの21年間は、繰り上げ受給のほうがお得!

繰り上げ受給すると減額されるのは事実ですが、普通に受給するより81歳までの21年間はお得になります!

81歳から減額された受給額よりも多く支給されますが、筆者の場合は数万円ですし生きているかも分かりません。

以下の書類は、年金事務所で計算してもらったものです。

ここにしっかり「繰り上げ請求した場合と、しない場合の老齢年金の総受給額逆転年月は、令和26年(2044年)3月(81歳)」と記載されています。

筆者作成
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年金だけで生活できないリアルな支給額を公開!451か月加入して月額11万2,480.5円

筆者作成
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これは加工など一切していない、この6月に支給された筆者の年金手取り額です。

2か月で224,961円、ひと月あたり11万2,480.5円ですから、年金だけで生活できるはずがありません。

しかも、65歳からは介護保険料が引かれるため、受給額はもっと減ってきます。

確かに現役世代の年収が低ければ、それだけ年金への積み立て金も低くなるため、高額支給を求めるのは我がままなのかもしれません。

しかし筆者は、一般的なサラリーマンの給与はもらっていたはず。確認すると約1,200万円納付していました。

年金を月額15万円もらうには、40年間の平均年収が約442~458万円必要!

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では年金を月額15万円受給するには、40年間いくらの年収があればよいか調査しました。

信頼できそうな「みんなのマネ活」と「東証マネ部!」が計算している年収を紹介しましょう。

◆年金を月額15万円受給するための平均年収

みんなのマネ活約442万円

東証マネ部!約458万円

いずれも平均年収は400万円以上となっていますが、この金額を20歳~60歳までの40年間ずっと維持する必要があるのです。

年金が月額20万円なら、約732万円を40年間維持する必要があるため、一般的なサラリーマンでは無理といえるでしょう。

年金額を知って驚き!死ぬまで働くことを悟った

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筆者の年金額はもっとあると思っていたのですが、年金事務所で計算してもらって驚きました!

「エッ!厚生年金に加入していてもこんな金額なん・・」それなら、早めに繰り上げ受給してもらっておこうと。我が親世代と比較すると、現在は全く納得できない年金制度になっていることに、怒りを覚えます!

とはいっても、一個人が叫んだところでどうなるモノでもないので、死ぬまで働くことを悟りました。筆者はまだ厚生年金分が上乗せされますが、国民年金のみの方は「どうやって生きて行けと!!」と怒り心頭でしょう。

真面目に働いてきた人間が、老後資金に不安を抱えず穏やかに暮らせる国にして欲しいですね。

因みに、年金を繰り上げするか悩んでいる方は、筆者の体験から早めの受給がおすすめですよ。

防災士×探偵ライター

これまで、洪水・土砂災害・地震・津波・高潮など、あらゆるハザードマップを作成。2017年に防災士とひょうご防災リーダーの資格を取得。2014年からWEBライターとして活躍し、現在では経験と資格を活かしてさまざまなメディアに多ジャンルにて記事を投稿中!フリーでの執筆活動をメインにしつつ、探偵として地域の困りごとも解決している。

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