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夫婦で挑んだ7年前の「弁護士2名vs筆者」本編!依頼人の嘘を裁いたアンチヒーローとは

栗栖成之防災士×探偵ライター
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前回は『依頼人の嘘を暴くアンチヒーローは実在した!7年前に起きた「弁護士vs筆者」の序章』のタイトルにて、筆者から会社への宣戦布告ともいえる、内容証明の送付までをお伝えしました。

多くのリアクションをいただき、誠にありがとうございます!

本記事ではその後、会社が弁護士を2名代理人に任命し、弁護士からの内容証明の送付、それに対する筆者の抵抗、そして会社側の弁護人が依頼人よりも、筆者に有利な状況を作り出してくれた結末をお伝えします。

6月29日 会社が弁護士2名を代理人として任命!

筆者作成
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これが、弁護士から届いた内容証明です。書面内の手書きコメントは、筆者が弁護士と電話でやりとりする必要事項を記載したものです。

筆者が会社に対して内容証明を送ったことで、何らかの抵抗があると思っていたのですが、なんと弁護士を2名代理人に任命し、連名で内容証明が届きました。

これにより、会社への申し立ては、弁護人に行うこととなったのです。

会社側の言い分を要約すると、次のようになりますが、実際は書面の内容とは異なっています。

私物は会社に取りにくるか、着払いで送付

⇒既に着払いで送るよう依頼済

●傷病手当は直後に対応済み

⇒これは全くの嘘!

●社会保険と住民税 5万7,240円を支払え

⇒共済会の積立金はどうなった?

●風評被害を起こしたら法的措置を取る

⇒事実を言うだけなのだが・・

家内とドクターの支えで何とか自力で戦える精神状態に!

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これまで病気のため会社への対応は、家内が代行してくれていました。しかし、内容証明の記載と事実が違うことは、筆者しか分かり得ないことです。

そこで、ドクターからイライラしたときや、落ち込んだときに服用する「とんぷく」を処方してもらっていたのでこれを飲み、家内からの支えを受けながら、何とか弁護士と戦える精神状態に持っていくことができました。

6月30日 弁護士vs筆者!まずは傷病手当金申請の確認

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弁護士からの内容証明を受けてすぐに、筆者は時系列にて全てを確認&記録しました。

●29日16:10 けんぽ(全国健康保険協会)へ電話し、会社から傷病手当金申請書が届いていないことを確認
●29日16:30 会社の顧問社労士に電話して、会社から傷病手当の書類作成の依頼がないことを確認

この状況では、内容証明にある「直後」がいつなのか疑問となります。そもそも、申請すらしていないのですから。

休職時に、労災でなく傷病手当にするようアドバイスしたのは会社の顧問社労士です。「きちんと困らないように手続きするので、安心してください」と言ったのも社労士です。

その社労士が、会社から依頼されておらず「けんぽ」にも書類が届いていないため、対応済みは明らかに「嘘」です!と、弁護士に突きつけました。

共済会積立金の返還要求!

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次に、共済会会費の積立金の返還を要求しました。当時会社は「共済会」との名目で、毎月5,000円を給与から天引きしていたのです。

共済会で会費を積み立てるメインの目的は、社内旅行の積立金であり、そのほか忘年会などのイベント費用に充てるためです。

●会社には労働組合はなく、代表社員は筆者であった

●「労使協定による書面」や正式な会則もない

●総務部長から口頭で従業員へ通告⇒これを同意としていた

●数年間決算報告もされていない

●直接には関係ないが、代表社員であった筆者が退職したことも社員に内緒にしている

この事実を持って、積立金の返還は正当な主張であることを弁護士に訴えました。

この部分は会社によって取り扱いが異なるため、100%会費を取り戻せるかは不透明です。

しかし、会費を給与から天引きしているなら、最低でも年次の会計報告は会社側の義務であるため、その点を突いてみました。

確認ですが「弁護士からの書面って、いつ届きますか?」

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筆者のとっておきの手は、社長が家内に怒鳴るように言い放った内容の暴露です。

「退職金は支払いますが会社の顧問弁護士は大変キツイ先生で、支払わなくてもよいといっています。しかし、生活が苦しいでしょうから、退職金を支払って、あ・げ・ま・す!その代わり後日、弁護士から書面が届くので、その書面に同意することを条件に支払いますので、以上!!」

と、一方的にいい放ってガチャと電話を切りました。

この点について弁護士に「その書面っていつ届くのですか?」と突っ込みました。

すると「私はそんなことは聞いてないし、言ってもいない。いったいどの弁護士のことを言っているのか確認しないと分からないが、私でないのは確かだ」との回答で、受話器越しに困惑した状況が伺い取れました。

恐らく、後先考えずに感情任せで行動した、社長の一人芝居だったのでしょう。

会社が風評被害を受けたなら法的措置を

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書面では「風評被害を惹起(じゃっき)するようなことがあれば、法的手続きをとらざるを得ませんのでその旨申し添え致します」とあります。

実際は、筆者に会社の現状を伝えてくれた社員の詮索は止めるよう文章で伝えており、万が一その社員に不利益があった場合は、事実を筆者のSNSにて実名入りで公開しますのでご注意ください」と伝えただけです。

この点については、実際に筆者が実名で公表しない限り、何も起きないためスルーしました。

因みに弁護士からは、自宅で友人に話してそれが広まっても、法的措置は取りますと・・

余程、事実を世間に知られたくないのでしょう。

弁護士は全てを再確認するので時間が欲しい!

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さて、傷病手当と積立金の件については「依頼者と筆者との情報に違いがあり過ぎるため、実際に確認してから再度連絡したいので時間が欲しい」とのこと。

筆者としては全て事実であり、社労士との会話は録音する旨を伝えたうえで行っているため全く問題ありません。

しかし、弁護士にとっては依頼人から聞いていたことと、筆者が話した内容が違い過ぎるため、どちらの言い分が真実なのか裏取りする必要があったようです。

恐らく、筆者との電話の後に「けんぽ・社労士・依頼人」の全てにおいて、裏取りを行ったはずです。

会社側の弁護士が筆者にとってのアンチヒーローに!

筆者作成
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弁護士は依頼者の利益になるよう動くはずなので「どうぞ存分に調べてください」といったものの、どのような手段でやってくるのか、不安がなかった訳ではありません。

あれこれ考えていると、7月5日(水)に書留で、上記の書面が弁護士から届きました。

共済会の積立金が6万6,000円あり、会社が立て替えている5万7,240円と相殺し、残高の8,760円を筆者の口座に振込む旨の内容です。

会社からはずっと「立替金を支払え!積立金は返金するものではない!」と、散々電話で家内に訴えていたことです。

そのため、会社の意向を考慮すれば代理人弁護士は、法律の素人である筆者を何らかの理由をつけて、やっつけることはできたはずです。

それが、フタを開けると全く真逆となる、筆者が求めていた要望が全て叶うよう、会社を説得したことになります。

本当のところは分かりませんが、恐らく筆者の予想では、弁護士を騙った虚言を行ったことさえも黙っていたため、会社をいさめたのではないでしょうか。

今回の「弁護士vs筆者」の結末!

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●けんぽに連絡すると7月3日付で支給申請書が届いている

⇒約2か月遅れで支給開始が決定!

●7月1日に社員全員に筆者が退職したことを伝えている

⇒社員から連絡をもらう

●共済会の積立金の返還に応じた

⇒不要な支払いをしなくて済んだ

●私物も着払いで届いた

⇒不要な物まで送ってきて、送料アップの嫌がらせはあったが・・

このような結果を見ると会社の代理人である弁護士が、筆者にとって正にアンチヒーローになったと言ってよいでしょう。

体験から筆者が言えることは、社内で身の危険を感じたなら、必ず録音しておくことをおすすめします。また、記憶は曖昧になるためメモを取るなりすると、後の交渉がやりやすくなるでしょう。

筆者はうつ病という厄介な病気になってしまいましたが、ドクターや家内、親しい友人などの支えによって、戦う力をもらえたことに感謝しかありません。

今ではこうして、読者の方々に出会えていることが、なによりも生きる励みになっています!

拙い長文記事に、最後までお付き合いいただいた読者の方々には、改めてお礼を申し上げます。

ありがとうございました!!そして、これからもよろしくお願いいたします!

筆者の体験談が、少しでもみなさんのお役になれば幸いです。

防災士×探偵ライター

これまで、洪水・土砂災害・地震・津波・高潮など、あらゆるハザードマップを作成。2017年に防災士とひょうご防災リーダーの資格を取得。2014年からWEBライターとして活躍し、現在では経験と資格を活かしてさまざまなメディアに多ジャンルにて記事を投稿中!フリーでの執筆活動をメインにしつつ、探偵として地域の困りごとも解決している。

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