大谷と山本と今永と鈴木のおかげでPCAの知名度が日本で急上昇!?
9月10日、ドジャー・スタジアムで行われた試合には、4人の日本人選手が出場した。
大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は4打数0安打に終わり、塁上に立つこともなかったが、鈴木誠也(シカゴ・カブス)は二塁打1本を含む3安打を記録し、1打点を挙げた。復帰登板の山本由伸(ドジャース)は4イニングで8三振を奪い、今永昇太(カブス)は7イニングを投げ、被本塁打3本の3失点にとどめた。今永は、大谷の併殺打、3-6-1でも、見事なベース・カバーを披露した。
また、昨年のWBCに韓国代表として出場したトミー・エドマン(ドジャース)は、2打席続けてホームランを打った。
だが、この試合の主役を一人挙げるなら、彼らではなく「PCA」を推したい。22歳のルーキー、ピート・クロウ-アームストロング(カブス)のことだ。
センターを守り、キーケー・ヘルナンデスと大谷の飛球を好捕したのに加え、最後は、打ったマックス・マンシーからすると、この試合2本目のホームランとなるはずの打球をもぎ捕り、試合を終わらせた。
ちなみに、2回表に、一塁手のフレディ・フリーマン(ドジャース)が弾き、カブスが先制点を挙げた打球――記録はヒット――も、打ったのはクロウ-アームストロングだ。この試合は、2本目のシングル・ヒットも打ち、最後の打席はキーケーの好守で二塁ゴロとなったが、2打点目を挙げた。
クロウ-アームストロングは、2020年のドラフト全体19位だ。ニューヨーク・メッツに指名された。翌年の夏に、トレードでカブスへ移り、昨年9月にメジャーデビューした。
メジャーリーグでは、昨シーズンが13試合で14打数0安打。今シーズンは、106試合で打率.243と出塁率.290、8本塁打、OPS.686だ。6三塁打と26盗塁――昨シーズンを含めると28盗塁――を記録しているものの、二塁打は12本に過ぎない。結果を残しているとは言い難い。
けれども、クロウ-アームストロングの最大のセールス・ポイントは、オフェンスではなくディフェンスだ。この点に関しては、資質を存分に発揮している。ファイン・プレーは、9月10日の試合に限ったことではない。
来シーズン、カブスとドジャースは、日本で開幕を迎える。クロウ-アームストロングも、来日するはずだ。確定ではないものの、今のところ、オフにトレードで放出される可能性は低い。
なお、クロウ-アームストロングの両親は、どちらも俳優だ。それについては、こちらで書いた。