犬の被毛は髪のように伸び続ける子がいる?動物愛護管理センターに引き取られた悲惨な犬とは
コロナ禍で犬や猫が人気です。一般社団法人ペットフード協会によりますと、21年の犬新規飼育頭数は(20年からわずかに減少していますが)、依然として新型コロナ前より増えています。
新規飼育をする人のなかには、あまり犬のことを知らずSNSで見てほしくなり、ペットショップで子犬を買い求めている人もいます。犬の被毛の種類は、まつ毛のようにある程度までの長さにしかならない犬と、人間の髪の毛のように伸びる犬がいるのを知っていますか。
今日は、被毛が長くなる犬が、悲惨な状態である動物管理センターに保護された話をします。
被毛が長くなる犬とは?
上の写真の犬は、シー・ズーです。この犬は、栄養状態がよいと写真のように被毛が伸び続けるのです。
つまりカットをしないと、このように被毛が長くなるのです。毛が長くなる犬は、その他には、マルチーズ、ヨークシャー・テリアなどがいます。
これらの毛が長くなる犬は、定期的に被毛をブラシなどでといてカットしないとトラブルになるのです。
全部の種類の犬が、毛が長くなるわけではありません。柴犬、チワワ、ミニチュア・ダックスフントなどは、ほっておいてもある程度の長さになれば、それ以上は長くなりません。
被毛が伸びるシー・ズーの悲劇
行政で働いている知り合いから、悲惨なシー・ズーが保護されたと連絡が入りました。
そのシー・ズーは、ネグレクト状態で全身の被毛が、フェルト状態になっていたそうです。前脚も後脚も被毛が伸びて絡まり爪が見えず、被毛をカットすると爪が見えてその爪も巻き肉球に刺さっていたものもあったそうです(耳の中ももちろん、真っ黒)。コロナ禍で生活が困窮して、トリミングの料金を払うことが難しかったのかもしれません。
ペットショップで見るシー・ズーの子犬は、毛糸玉のようで本当にかわいいです。もちろん、子犬なので、他の子犬と同じように被毛はそう長くなっていないです。ペットショップで売るときは、シー・ズーはトリミングの必要な犬だと説明はされていないのかもしれません。
この犬ではありませんが、筆者の動物病院でも嫌なニオイがするというシー・ズーが連れて来られたことがありました。その子も全部の脚の被毛が絡み合いその中の1本の脚が化膿して、被毛が汚れ皮膚や筋肉が腐って骨が見えていました。つまり、自分自身の被毛が真綿のようになり時間をかけて、脚を縛って血行障害を起こしてこのような状態になり、もう少し遅いと断脚の可能性もありました。
犬の中にはトリミングがいる種類がある
犬の新規飼育する人の中には、散歩と食事とトイレのしつけなどをしていれば、いいと思っている人もいるのかもしれません。
以下の犬種はトリミングがいります。
・シー・ズー
・マルチーズ
・ヨークシャー・テリア
・トイ・プードル
・スタンダード・プードル
・上記の犬のミックス犬
一般的な犬ですが、他にもトリミングのいる犬がいますので、詳細はペットショップか獣医師に尋ねてください。
被毛の手入れを定期的にしないと、上述のように皮膚病になり、ひどい場合は命にかかわることもあるのです。
犬を新規飼育する人へ
犬を初めて飼う人は、トリミングがいるかいらないなどの知識を持って飼い始めましょう。購入するときに、以下のことも確認しましょう。
・どれぐらいの頻度でトリミングするのか
・トリミングの料金はいくらぐらいか
犬の平均寿命は、約14年以上になっています。その間はトリミングの料金がかかるのです。それも含めて終身飼育ができるかどうかを考えて家に迎えいれるようにしてください。
犬は、当然、自分でブラッシングできません。飼い主が、最低でも週に1回は、ブラッシングして毛玉などがないか見てあげてくださいね。動物病院に来る飼い主は「僕の散髪代より、サブの方が高いからね」とトイ・プードルを抱っこされながら話していました。