こっくり黄身餡と立派な金柑の絶妙なハーモニー!「菓撰 きんかん」はほろ苦く甘い大人の和菓子
突然ですが、皆さんは安土桃山時代というとどんなことが頭に浮かびますか?私はなんといっても織田信長です。数多の戦を潜り抜け、まさに天下布武を実現させたといっても過言ではない時代。海外からの文化も伝来し、猛々しく豪華絢爛な歴史の一面として記録されていますね。
さて、織田信長亡き後その勢いを受け継いだのが豊臣秀吉。京都市伏見区に余生を過ごす為に築城したとされ、のちに豊臣秀頼や徳川家康も時を過ごしたといわれる豪勢な様式の伏見城。その伏見城と所以のある和菓子がありまして、桃山といいます。
徳川慶喜も愛したといわれている焼き菓子は、伏見城の瓦に由来していたり、かつて栄華を極めた桃山時代のようだとされ現在までその名が受け継がれている長い歴史を持つお菓子。
今回は、石川県加賀市にて1905年に創業された「山中石川屋」さんの旬の果実を閉じ込めた桃山「菓撰 きんかん」をご紹介。
ひとつひとつ丁寧に個包装されえた菓撰。ピンポン玉よりも一回り小さな桃山は、可憐で鮮やかな金糸雀色。豊かな黄身餡にほんのり寒梅粉を混ぜた生地のてっぺんには、食欲をそそる焼き色のお化粧を施して。ぽってりとした黄身餡の中に包まれているのは、丁寧に処理を施された金柑の甘露煮がまるごと一粒。口元に近づけた瞬間に出迎えてくれた爽やかな柑橘の香りの謎が解けました。
しっとりとした黄身餡の皮はコクが豊かで甘味もまろやか。そこに華を添えるのが、仄かに苦味を残した金柑。ごく僅かに青さの余韻を残すことで、ワンランク上の大人のお茶請けとしても重宝されるようなテイストに。最近流行りのフルーティーな低アルコール日本酒にも合いそうですね。
金柑の花言葉のひとつは「思い出」。時の将軍をはじめ、現在に至るまで沢山の人に愛されてきた桃山を食べながら、しっとりとした口溶けと共に歴史に思いを馳せてみるようなお茶の時間、なんていかがでしょうか。
<山中石川屋>
公式サイト(外部リンク)
石川県加賀市山中温泉本町二丁目ナ24番地
0761-78-0218
8時~17時
定休日 水曜・元旦