ウクライナ軍がMi-8輸送ヘリコプターの機首機関銃で敵ドローン狩り
ウクライナ軍はロシア軍の長距離自爆ドローンの迎撃に対空機関砲や地対空ミサイル、戦闘機などを投入していますが、一部で攻撃ヘリの使用例もあります。そして今回、輸送ヘリの機首機関銃でドローンを撃墜する珍しい事例が報告されました。
※撃墜は動画開始から53秒頃(射撃開始は42秒頃)
旧ソ連製のMi-8輸送ヘリは主操縦席と副操縦席の間に機関銃の搭載スペースがあり、手動操作の機関銃で射撃することが可能です。普段は機首機関銃を装着していないことが多く(窓のパネルごと交換する)、あまり知られていない搭載方法です。
Mi-8の機首機関銃座の視点(ただしロケット弾の斜め上発射のみ)
本来はMi-8の機首機関銃は着陸時の安全地帯の確保のためで対地掃射用です。つまり輸送ヘリコプターで一般的なドアガン(ヘリコプターのドアを開けて手動操作の機関銃を撃つ)と役割は同じです。
ヘリコプターは滞空時間が短いので本来はドローン迎撃に向いているとは言えませんが、地上の機動射撃班(ピックアップトラックに対空機関砲を装着したり携行地対空ミサイル操作兵を運ぶ)が足りていない地域への穴埋め役が出来る可能性はあります。
ただしその場合でも空対空型の携行地対空ミサイルをスタブウィング(兵装搭載用の小翼)に懸架するなど対空戦闘に応じた改修を施さないと、ヘリコプターの手動操作の機関銃だけでは厳しいでしょう。
参考用:Mi-8輸送ヘリコプターの比較
Mi-8輸送ヘリコプターの機首に機関銃を装着しています。銃身の上に付いている丸い輪の付いた棒状の金具は照準環で、機首中央の機関銃座から目視して敵目標を捉えて射撃を行います。またこの機体は機首側面に増加装甲板が装着されており、ウクライナ国旗カラーで塗装されています。
Mi-8輸送ヘリコプターの機首機関銃座の視点(機関銃の照準環)