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村上宗隆のマルチ本塁打12試合はNPB新記録。アーロン・ジャッジの10試合はMLB記録まで1試合

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(左)とジャンカルロ・スタントン Sep 13, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月13日、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)は、シーズン54本目と55本目のホームランを打った。一方、日本時間の9月14日、現地の9月13日に、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、56本目と57本目を記録した。ダブルヘッダーではなく、同じ試合だ。

 1試合2本以上のマルチ本塁打は、村上がシーズン12試合目(2本が11試合と3本が1試合)、ジャッジは10試合目(すべて2本ずつ)だ。村上は、1985年のランディ・バース落合博満、2013年のウラディミール・バレンティンが記録した11試合を上回り、日本プロ野球の新記録を樹立した。ジャッジは、メジャーリーグ(ナ・リーグとア・リーグ)のシーズン最多まで、あと1試合だ。こちらも、村上が更新するまでの日本プロ野球と同じく、11試合が最も多い。1938年のハンク・グリーンバーグと1998年のサミー・ソーサが、記録を保持している。

 村上の前に、シーズン11試合のマルチ本塁打を記録した5人――日本プロ野球が3人、メジャーリーグは2人――は、いずれもそのシーズンに50本以上のホームランを打っている。バースが54本、落合が52本、バレンティンが60本、グリーンバーグが58本、ソーサは66本だ。

 グリーンバーグは、今日ではあまり知られていない気もするが、殿堂入りしている。世界大戦を挟み、1930年代と1940年代に、デトロイト・タイガースなどでプレーし、一塁とレフトを守った。本塁打王と打点王を4度ずつ獲得し、1947年を最後に引退した時、通算331本塁打は歴代5位に位置していた。

 なお、マルチ本塁打の試合数にかかわらず、日本プロ野球において、今シーズンの村上よりもシーズン本塁打が多いのは、2013年のバレンティンだけだ。メジャーリーグで現時点のジャッジよりも多い、シーズン58本塁打以上は、延べ14人を数える。ジャッジは、あと2本積み上げると、トップ10にランクインだ。59本塁打は9位タイ。1921年のベーブ・ルースと2017年のジャンカルロ・スタントン(当時マイアミ・マーリンズ/現ヤンキース)に並ぶ。

 村上とジャッジについては、ジャッジが56本目と57本目を打つ前に、こちらでも書いた。

「村上宗隆とアーロン・ジャッジはどちらも55本塁打。60本到達は「同じ日」!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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