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渋野日向子のプレーを韓国メディアが絶賛「競争相手へのエチケットは“金メダル級”」「圧巻のマナー」

金明昱スポーツライター
ロッテ選手権で2位に入った渋野日向子。韓国メディアも彼女のプレーとマナーに注目(写真:REX/アフロ)

 米女子プロゴルフツアーのロッテ選手権で優勝したのは、韓国のキム・ヒョージュだった。ツアー通算5勝目をマークし、改めてその強さを再確認したが、日本の渋野日向子との優勝争いはとても見応えがあった。

 この大会で渋野のプレーを世界中のゴルフファンに強く印象付けることに成功したが、韓国でもそのインパクトは大きかったようだ。

 韓国のゴルフ専門メディア「ゴルフ韓国」は、キム・ヒョージュの優勝を大々的に伝えつつ、渋野についてクローズアップしていた。

 まずは「優勝者のキム・ヒョージュに負けないくらいに渋野日向子が世界のゴルフファンに強烈な印象を残した。2018年にプロ転向したあと、礼儀正しさと明るい笑顔でファンから愛されてきた彼女は、19年に初の海外メジャーとなったAIG全英女子オープンで優勝し、“スマイルシンデレラ”という愛称がつけられた。また、1977年に樋口久子の全米女子プロゴルフ選手権での優勝以来、日本人選手としては2人目の米メジャー優勝者だ」と人物像について紹介。

 ロッテ選手権の会場の雰囲気について「会場が日系人や日本人が多いハワイということもあるが、渋野日向子に対するゴルフファンの拍手と歓声がとても印象的だった」と伝えている。

 また、「スイングも豪快で美しいが、何よりも彼女の行動がゴルフファンから愛されるものだった。表情からは笑顔が絶えず、ギャラリーたちもいいショットには拍手を送り、それに対して頭を下げながら手を振って応えていた」と報じ、終始、渋野のプレーはファンを虜にしていたという。

「渋野の行動には真心がこもっていた」

 さらに記事は、同組で優勝争いを演じたキム・ヒョージュに対する渋野のマナーについて称賛している。

「同伴者である競争相手に対する彼女のエチケットは“金メダル級”だった。最終日の8番ホールでキム・ヒョージュがバーディーを取ると拍手を送った。キムが難しいパーセーブのパットを成功したときも、渋野は笑顔で拍手を惜しまなかった。そして最終18番ホールで、彼女のマナーは“圧巻”だった。渋野がバーディーパットを外してパーで終わったあと、キムがバーディーで優勝を決めると、満面な笑顔で拍手を送り、キムを祝福して抱き合った。彼女のこのような行動には、真心がこもっていた」

 キム・ヒョージュが優勝争いする過程で、韓国のゴルフファンもテレビ中継を通じて渋野のプレーをじっくりと初めて見たはずだ。

 そして彼女の笑顔とプレー中のマナーに感心を示した韓国の人たちが、たくさんいることも想像できた大会だった。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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