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「暮らしの答え」は自分で選べる時代である

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけや収納の正解っぽい情報が簡単に、しかもタダで手に入る時代になってきました。しかし、実際に片づいた家はどれだけあったのでしょう。

「SNSで見た〇〇さんの家のマネをしてみたけど、続かなかった」「白いケースがよいと聞いたからまとめて買ったけどどうしていいかわからない」というような声を聞くことがここ数年多くなってきました。

ここ数年で急増した、自分の暮らしに自信がない人

私は、片づけを仕事にしていますが、以前に比べSNSの影響で人の暮らしよく見えるがゆえに、人と比べ落ち込んだり、同じようにできない自分を責めてしまう人、自信を無くす人、暮らしの正解がわからなくなった人が増えてきたと感じています。

SNSで見つけた素敵な暮らしに憧れるのは悪いことではありませんが、しかし、その暮らしをゴールに設定し、苦しくなっていたり、

ちゃんとしなくちゃいけない、キチンとしなくちゃいけないと勝手にあるべき姿を設定し、片づけるはずが、逆に片づけが嫌いになっていては本末転倒です。

片づけのプロである私がたどり着いた「暮らしの答え」

実は私も片づけの仕事を始めた頃、いつも家がキレイでいなくてはいけないと思い込んでいました。

育ち盛りの子どもが4人いる我が家は、人が動けばモノが動くので、あっという間に散らかります。

いつもキレイにすることは困難で、当時私は一日に何度も子どもに「片づけなさい」と言っていました。

しかしよく考えたら、それは子どものしつけのようで、実は思い通りにいかない状況にイライラしている自分の気持ちをどこにもっていってよいかわからず、

子どもにぶつけていたのかもしれないと気づいたのは本当にここ数年です。

もちろん家族みんなに片づけに協力してもらうことは大事ですが、いつもキレイな状態を作るのは、簡単なことではありません。私にとって「いつもキレイな家」を作ることは、エネルギーを消耗するだけの活動だったのです。

そして、ようやく最近「散らかるのは仕方ない、何かあった時にすぐ片づけばよい」という私なりの「暮らしの答え」にたどり着き、プレッシャーから解放され、とても楽になりました。

私のスッキリは一体何なのだろう?

さて、SNSの世界に存在する誰かの素敵な暮らしは、その人の暮らしのほんの一部です。自分の暮らしは、決められたノウハウで整えて完成させたり、誰かのマネをするものでもなく自分で考えて作っていくものです。

とはいえ、とにかくすぐにスッキリしたい!と思う人もいるでしょう。

そのような時は「スッキリ」の言葉は、具体的にどういう状況を表すのか考えてみるとよいかもしれません。

例えば、

床に何もない状態がスッキリなのか? モノが整列している状態がスッキリなのか?

ホテルのように、モノが最小限に抑えられた状態がスッキリだと感じる人もいるかもしれません。

しかし、実際にあの空間で暮らしていくことはできるでしょうか?

そう考えると、多少の生活感はあっても、家族が使ったモノを元に戻してくれることや、朝の忙しい時間に探し物なく、出かける準備がスムーズに進むことが自分が求めている「スッキリ」の場合もあります。

キレイやスッキリという言葉は、簡単に暮らしの目標にされがちですが、とても漠然としているため、具体的な行動にはつながりません。

しかし、自分にとってのキレイやスッキリを具体的にすることで「暮らしの答え」がぼんやり見えてきて、具体的な行動につながることがあります。

これからの時代、片づけや暮らしの答えは、自分で選んでいく時代です。

SNS上に溢れかえる情報に振り回されて疲弊するより、自分の考える「スッキリ」は一体何なのか?を考えることが「私の暮らしの答え」への近道なのではないでしょうか。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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