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家が嫌いだった30代女性が、大切な場所を手に入れるためにはじめたこと

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

傍から見たら、スペース的にも機能的にも立派な家に住んでいる女性がいました。でもその女性は「家が嫌いだし、家の中にいるのも嫌い」と言っていました。

家が嫌いな女性が家を好きになったきっかけ

彼女が家を好きになったきっかけは、リフォームなどではなく「片づけ」です。家が嫌いだからと、簡単に引越しやリフォームができるわけではありません。

変えることができるのは、家の中のモノやそこで過ごす時間、そのためには「片づけ」がとても有効だったのです。

彼女は片づけを進める中で、「家が嫌い」という感情が少しずつ減ってきました。

これまでは、家が嫌いなので、そんな家で使うモノも適当に買いあさり、惰性で使っているモノも多かったようでした。

しかし片づけが進むにつれ、家の中のモノが厳選され彼女が好きなモノ、必要なモノが残ることに気づいたからです。

彼女にとって、片づけはただ物を減らす行為ではありませんでした。どんな食器が好きかを考え、たくさんある鍋もどれが使いやすいかを考える時間は、これまで家事や育児で忙しくて抑え込んでいた自分の本当の思いに気づく機会になったのです。

片づけは、ただ部屋をキレイにする作業ではない


片づけを続けると、ただの整理整頓ではないことに気づきます。それは自分の価値観や生き方を映し出す作業です。


たとえば、この女性はクローゼットの中を見直すときも、「この服は今の自分に本当に必要だろうか?」と考えました。そして同時に、本当にその服を着たいのか?この服は似合っているだろうか?いろいろなことを自分に問いかけたのです。

それは「自分はこれからどんな生活をしたいのか?」という問いにもつながります。


片づけは単なる作業ではなく、自分自身を整える時間です。間取りが好きではない、自分の好みではない、という問題も、家の中に存在するモノを選びぬくことで、自分のお気に入りが存在する家になり、そこで過ごす時間の流れも徐々に変わっていくのです。


片づけを通じて家が好きになれる


片づけは家を好きになるための第一歩です。引越しやリフォームはなかなかできませんが片づけであればすぐ始めることができます。そして「片づけ」と聞くと、モノを捨てることに注目しがちですが、重要なのは「残したいモノ」を選ぶことです。

その選択を重ねることで、家がただの物の置き場所ではなく、自分や家族が安心して過ごせる大切な場所になります。

なんだか家が落ち着かない、あまり家が好きではない、というのであれば、簡単に変えることのできる「モノ」に注目してください。

不要なモノを捨てることも大事ですが、「どんなモノと暮らしていきたいのか?」という視点で考えると、片づけが「家をお気に入りの場所にする活動」に変わりモチベーション向上にもつながり、家を大切にしようとする気持ちも芽生えてくるでしょう。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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