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「ずんだれ愛」が溢れる店内。小倉で創業し32年目の久留米ラーメンをルーツとする、ど豚骨ラーメンの名店

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡市博多区東那珂。頭上には福岡都市高速が走る、国道上り方面の一角に〈魁龍 博多本店〉がある。こちら福岡市内での開業は2001年で今年23年目。福岡の中でも、これだけの個性が溢れるお店には、なかなか出会えない、唯一無二の存在感。

アトラクションのような定型文

開店直後の店内に入ると、この日は、魁龍名物の大将がいらっしゃらなかったため、めちゃくちゃ残念で肩落とす。それでもカウンターに着席すると『当店では「ずんだれ」をおすすめしていますのでよかったら食べてみてください』と、お冷を運んでくださった若いスタッフさんからも同様のお声がけをいただいた。本来、大将がいらした場合は、さらに「麺が伸びた状態とは違って一番美味しい状態ですよ」というような「ずんだれ」の深い解説が展開されるはずなのだが、今回は本当に残念ながら、その姿と言葉は拝めない日だった。

店内は「ずんだれ」推しで溢れている

メニュー表の中から「煮玉子入りラーメン」930円を選択して麺の硬さはお店推奨の「ずんだれ」で注文。落ち着いたところで店内を見渡すと「ずんだれ」推しが随所に凄い。どこもかしこも「ずんだれ」で、メニュー表にも「当店自慢の『ずんだれ』」という表記が冒頭に。座った席の目前にも「店主」の言葉として「ずんだれの語源」の解説があったり〈魁龍 博多本店〉からは「ずんだれ推奨」の言葉が述べられつつ「バリカタ・ハリガネ・コナオトシ」等はありませんと、しっかりお店のシステム&おすすめを理解していただくよう、徹底的に展開している。

さらに頭上にも、もう一枚「小麦の甘味・風味・旨味が引き立つ魁龍自慢の一度食べたらクセになるリピート率90%超『ずんだれ』」の文字が踊る。さらに「お好み焼き・たこ焼き・ホットケーキを生焼けで食べますか?」というこれまた衝撃的な一言。確かになぁと感慨深げ。ここまで徹底的に自店の考えを浸透させようとお店の店内外で表現している訳だから、それに対して反論する意見があったりもするのだけど、まずもってそのような意見があれば、訪問すること自体を控えればいいだけの話と理解している。

呼び戻し製法の濃厚な熟成スープ

さて今回はその流れを理解した上で「ずんだれ」推しの一杯をいただく。やはり通常の豚骨ラーメンよりも配膳される時間は、ちょっと長め(思っていたほど長くはありません)。まずは、トロミの強い見た目からも分かる濃厚なスープ。熟成感がとても強調された豚骨本来の味わいを感じられ、カエシの旨みは控えめな印象。

こってりと濃厚ながらも、口当たりは思いの外マイルド。その個性は、ちょっと食べてみないと分からないかもしれない(好みが大きく分かれるところだと思うけど匂いはかなり強めです)。麺は中細のストレート麺。やわ麺の「ずんだれ」で味わうのがお店のおすすめ。

あくまでも個人的にだけどホントはちょっと芯が残るくらいの麺が普段は好きなこともあり、初めて食べた時はそのやわらかさが衝撃的で、正直ちょいやわ麺くらいでも試してみたいという衝動に駆られた。ただ、その後はおすすめされる意味も十分理解できるくらいの存在感を感じた次第。その麺とスープに合わせる具材は、久留米ラーメンの昔ながらのスタイルでチャーシュー、メンマ、ネギというシンプルな構成。見た目は、シンプルに見えますが「ずんだれ」推しの麺、「ど豚骨」をうたうスープと、かなり個性的なお店なので一度体験してみてはいかがでしょうか。

魁龍 博多本店
住所  :福岡県福岡市博多区東那珂2-4-31[地図
営業時間:11時00分~21時00分 ※要確認
定休日 :年中無休(スープがなくなり次第終了)
駐車場 :専用駐車場あり(12台ほど)

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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